せとうち志々島移住日記

東京生まれ・東京育ちの元プログラマー。父母ヶ浜で有名な香川県三豊市に属する離島・志々島(ししじま)に移住した新米島人です。 その日常を綴って行きます。

第51話.永遠の中学生

東京に居た時は、ワンルームの小さな部屋で暮らしていたので、台所で料理や洗い物をする時でも、首を捻ればテレビが見れました。

なので、台所に長居しても退屈はしませんでした。

が、今の住まいでは居間と台所が完全に分かれている為、そうは行きません。

ipodで音楽を聴いたりもしましたが、イヤフォンが邪魔に感じて少し億劫になっていました。

ちなみに、安物のラジカセを以前持っていたものの、壊れてからは買い換えずで今日に至っています( ´~`)

それが先日、リフォームに伴って不要品を処分したいというお家が有り、オーディオセットを譲り受けたのでした。

居間ではテレビを見るのに忙しく、音楽を聴いている暇は無し。

となると、オーディオを設置する場所は自動的に決まります。

はい、台所ですね。
f:id:goumonkobura:20190313172317j:plain
f:id:goumonkobura:20190313172348j:plain
最初は土間に直置きしましたが、手頃な段ボールが見付かったので底上げしました( ̄▽ ̄)

こんな立派なスピーカーでCDを聴くのは初めてです。

で、これで何を聴くかと言うと…ドラクエのサントラ(オーケストラバージョン)です。

いつまで経ってもお子ちゃまですね~(笑)

普通に歌のCDも持っていますが、ドラクエのCDを久しく聴いてなかったので、洗い物をしながら過去のシリーズを振り返っている所です。

とりあえず、水や残飯をぶっかけない様に気を付けつつ、使って行きたいと思います。

第50話.ヤギヤギパニック

猫と並ぶ志々島(ししじま)のマスコット、ヤギ。

SNSを通じてはお知らせしましたが、1月の終わりの僅か1週間の内に6頭もの子ヤギが生まれ、一気に12頭になりました。
f:id:goumonkobura:20190303122722j:plain

ヤギが急増した事で、昔使っていたヤギ小屋を修復しようとか、口減らしの為?に里子へ出そうとか色んな話が有ったりで、まだまだ落ち着かない状況です。

そこで今回は、「ヤギ」をテーマに話したいと思います。

東京の実家で飼っていたペットと言うとインコ程度で、猫や犬の様なサイズの動物には全く免疫が有りませんでした。

だから、ヤギなんて以ての外。
出来る事なら近づきたくないです(苦笑)

それでもごくごく稀ですが、ヤギ小屋から離れた所まで草を食わせに行く時など、お手伝いする事も有ります。

大きなヤギは立派な角をお持ちで、その恐ろしさは説明不要でしょう。
f:id:goumonkobura:20190303122843j:plain
少しでも隙を見せたら「グサッ!」と心臓を一突きにされますね、きっと。

それでは子供のヤギなら安心か?と問われれば、答えは否。

小さな身体からは想像が付かない程のパワーを持っています。

首輪に結んだロープを引いて移動させますが、逆方向に首を曲げたり走ったりしようものなら、完全に腕を持って行かれます。

そして、動きがとんでもなく機敏です。
予測不可能なステップを踏むので、うっかり逃したら捕まえるのは容易ではありません。

ある日、石段を下っている最中に走り出した時は、ロープを離すまいと思ってしまった為、引っ張られて石段下の防波堤に激突し、命を落とす所でした(*_*)

そんな訳で島の皆さんには、僕の分までヤギの世話を頑張って頂きたいと思います(笑)

第49話.とりあえずキンセンカ!

「とりあえずビール!」という有名なフレーズがありますが、アレは決して投げやりな言葉ではなく、「何はなくともビールを飲まなきゃ始まらん!」という意味だと僕は解釈しています。

で、畑をやるなら志々島(ししじま)の代名詞と言うべき「キンセンカ」からだなと、常々考えていました。
f:id:goumonkobura:20190224160933j:plain

キンセンカは別名「時知らず」とも呼ばれており、季節を問わず種蒔きが出来ます。

加えて、乾燥にも強いので、たまの雨に任せておけば水やりも要らないそうです。

雑草の駆除は最低限必要ですが、他の作物と比べたら「手間要らず」な花です。

さて、やっぱり花を咲かせるなら4~5月が良いなぁと思っていたので、調べた情報を元に逆算し、昨年の12月始めに畑に着手しました。

場所はセンパイ島民からお借りした、ちょっと高台に在る南向きの畑。
遮る物は無いので、日当たりは抜群です。

準備は野菜を作る時と大体一緒で、石灰と堆肥を撒いた畑を、手押しの耕運機で耕しながら畝(うね)を作ります。

小型の耕運機なので出来る畝がとても細く、本来は2つを合わせて丁度良い幅の畝になります。

が、その手間を掛けるのを嫌い、そのままの畝を使って横一列に種を蒔きました(  ̄▽ ̄)

しかし、記憶していたよりも畑が広く、買って来た種だけでは足りないんじゃないの!?と正直思いました。

それでも、耳垢みたいに小さな種を一粒ずつ指先で摘まんでは蒔くを繰り返すケチケチ戦法で、どうにか畑全体に行き渡らせる事が出来ました(^^;)

そして、種蒔きから一週間が経過した頃、キンセンカの芽が顔を出しました\(^_^)/

ただそれも数える程度で、その後の成長も遅く感じました。

それもそのはず。

この時になってようやく知ったのですが、栽培期間を完全に勘違いしていた様で、12月に種蒔きした場合、開花は8~9月になるというのが本当の所でした( ´~`)

成長が遅いのも当然と合点が行ったので、暫く放置する事にしました。

タンカーの仕事を挟んで1ヶ月後、再び畑へ。

雑草がはびこって、何処にキンセンカが生えてるのかも分からない状態になっていたので、草むしりをせざるを得ませんでした。

しかしこれが、大変。
種蒔きの時も感じましたが、9m × 6m程の小さな畑なのにも関わらず、とてつもなく広く思えました。

結局、3日間・計15時間を掛けて、ようやく一旦の草むしりを終えました。

姿を現したキンセンカは…種蒔きした内の7割にも満たない数(*_*)
f:id:goumonkobura:20190224161040j:plain

最低でも8割が花を咲かせてくれるのを祈っていたので、この時点で完全な敗北です(苦笑)

労を惜しまず幅広な畝に作り変えていれば畝の数も少なくなったし、種も数粒ずつ蒔けて発芽の確率も上がったんじゃないか?とか、色々悔やんでみても後のカーニバル。

途中で投げ出すのも格好悪いので、今あるキンセンカだけでも花咲かせたいと思います。

ちなみにこれが今のキンセンカ
写真から分かる通り、丸っこい葉っぱが特徴的です。
f:id:goumonkobura:20190224161134j:plain

成長の様子は、又の機会に報告させて頂きますm(_ _)m

第48話.破壊活動

去年、志々島(ししじま)に移住してから、延べ3軒の空き家解体に携わりました。

前の2軒は、後から思い出した様に写真を撮ったりで順を追って説明出来なかった為、今回は3軒目の空き家解体を例に、その段取りについて話したいと思います。

なお、全てがこのパターンに当てはまる訳ではないので悪しからず。

さて、今回のターゲットはこちらの家。
作業前の様子です。
f:id:goumonkobura:20190213085028j:plain

先ずは、一階・二階の床板剥がしと家具の解体からスタートです。

タンスの様な立体的な物をそのままにしておくと、家が綺麗にペチャンコにならないからです。
f:id:goumonkobura:20190213085122j:plain

続いて、屋根瓦を下ろす作業。
瓦の下には、土や竹の骨組みが隠れています。
先に床板を外した事で内部は吹き抜け的な感じになり、それらを上からジャンジャン投げ下ろす事が出来ました。
f:id:goumonkobura:20190213085228j:plain

屋根瓦が終わったら、今度は壁も取り払います。
基本的には土壁で、格子状に組まれた竹が両側から土でサンドされた状態の物です。

上と左右の端の土をバール等で叩き落とし、柱に差し込まれた竹をノコギリで切ります。
f:id:goumonkobura:20190213085417j:plain
その上で、倒したい方向にドーンと押せば、土壁を倒す事が出来ます。
イメージ通り綺麗に壁を倒せた時は、気分が良いです(笑)

ここまで出来たら、後は柱や梁(はり)をチェーンソーで切り落として行きます。
f:id:goumonkobura:20190213085524j:plain
まだチェーンソーを使った事が無い僕が語るのもおこがましいですが、自分の足場を確保するのはもちろん、密接した隣家に被害を及ぼさぬ様にやらなければやらないので、よくよく考えて作業を進める必要が有ります。

切った柱や梁を綺麗に揃えて並べたら、任務完了です!( ̄▽ ̄)ゞ
f:id:goumonkobura:20190213085638j:plain

草刈り同様、解体作業も体力を使いますし、ホコリや泥にまみれる事も少なくないです。
この家に関して言えば、3人で2週間程度掛かったでしょうかね~(うろ覚え)。

それでも、破壊の限りを尽くすというのはなかなか出来る事ではないので、ストレス発散にはもってこいです(笑)

第47話.曜日感覚

東京では月~金まで仕事、土日祝日は休みというごく一般的なサイクルで1週間を過ごしていました。

仕事をしていれば、自ずと曜日を把握出来た訳です。

志々島(ししじま)に移住して10ヵ月。
未だ無職の僕ですが、島内には有償・無償の仕事が山ほど有ります。

ただし、やるもやらぬも自分次第。
決まって働かなければならない曜日が無い代わりに、決まった休みも有りません。

観光客が多いと、「ああ、今日は祝日だったか」と気付く事も少なくないです。

頼みの綱のテレビも録画視聴専門なので、曜日感覚を取り戻す助けにはなりません(笑)

言うなれば、「晴れたら仕事・雨なら休み」といった具合です。

晴れの日に休んだら勿体無いという気持ちも有りますが、屋内作業が有れば雨でも仕事が出来てしまうので、そうなると自分で意識して休むしかないですね。

ただ、仕事・仕事と言っても半日程度で終わる事も有りますし、読者の皆さんの様な過酷な働き方はしておりません(笑)

余談ですが、定期船の汽笛が時報代わりにもなっています。

8時50分到着の船は始業時刻の目安。
8時集合の場合も有りますが、大体9時スタートが多いです。

15時50分出発の船は終業時刻の目安。
この船が出て行ったら、そろそろ仕事を切り上げようかという雰囲気になります。

少々早いと思われるかもしれませんが、肉体労働では一日5~6時間がイイ所です( ´~`)

引っ越し当初は「日が沈むまでやったるで~!」と息巻いていましたが、頑張り過ぎで腱鞘炎をこじらせてバネ指になったので、今は島の皆さんのペースに合わせる様になりました(^^;)

ちなみに現在、そんな志々島の暮らしとはかけ離れたタンカーのお仕事で、24時間絶賛監禁中です(苦笑)

第46話.幼稚園遠足とサユリちゃん

先週、志々島の対岸に在る詫間幼稚園から、園児達が毎年恒例の遠足にやって来ました。

昨年は天候不良で延期の繰り返しでしたが、今回は予定通りの開催です(^_^)v

僕のお役目は二つ。

一つは、大楠の前で紙芝居を読む事。
島には大楠にまつわる昔話が有り、それを紙芝居にして園児達に聞かせるのがお決まりになっています。

ストーリーを一言で表すならば、「大楠を大事にしないと祟りが起こるぞ!」です(笑)

それを今回、ベテラン島民に代わって僕が読む事になりました。
f:id:goumonkobura:20190123162956j:plain
ただ、元の話そのままだと教訓めいた物が無いので、その辺りの事を本番前に付け足して工夫したつもりです。

そしてもう一つのお役目は、園児達の引率。

幼稚園の先生や一部の父兄さんも一緒でしたが、40人を4班に分けて大楠や楠の倉展望台を目指すので、島民も引率のお手伝いをするのでした。

ちなみに島民も、園児達と同じ名札とスタンプラリー証を付けさせられました(苦笑)
f:id:goumonkobura:20190124084522j:plain

僕の担当は黄色班。
先生を先頭にほぼ一列で歩く訳ですが、大楠までの道程は石段になっているものの段差が大きい所も有り、園児の足ではかなり時間が掛かるのでは?と思っていました。
f:id:goumonkobura:20190123165627j:plain
が、予想に反して園児の歩くペースは早く、年配の方では付いていくのがやっとな位でした(笑)

そんな中、一人だけ大きく遅れを取る女の子が居ました。

その子の名前はサユリちゃん。

運動が少し苦手なのかな?と思いましたが、とにかく班からはぐれてはいけないので、僕はサユリちゃんと一緒に最後尾を歩きました。

しっかり足を上げて登らないと体重が後ろに掛かってしまうので、「よいしょ、よいしょ!」と彼女を鼓舞しながら坂を登り切りました。

続いて急な下り坂。
今度はカニ歩きで歩く様に促しました。
が、大楠まであと一歩の所でよろけて、石段の脇の草むらにサユリちゃんは落ちてしまいました(*_*)

ケガする程の落差は無いものの、草の丈が高いのでサユリちゃんは直ぐに立ち上がる事が出来ず。

僕が助け起こして、何とか無事大楠に到着しました。

前述の通り、そこで紙芝居を読んだり集合写真を撮ったりした後、しばしの自由時間。

大楠と関係無く、サユリちゃんは石の上で片足バランスで遊び出したので、何秒立ってられるか競争したりして過ごしました。

ここまで見て来て分かったのは、サユリちゃんがマイペース且つ好奇心旺盛である事。

先生が集合を呼び掛けても直ぐには応じず、自分の関心事に無我夢中といった具合です(^^;)

「この様子だと目を離した隙に何処へ行くかも分からんな…」と考え、そこから彼女をマンマークする事に決めました(笑)

楠の倉展望台へ向かう道でも、やっぱり殿(しんがり)はサユリちゃん。

そうこうしている内に僕になついたのか、自然とサユリちゃんは僕の手を握る様になり、楠の倉展望台から帰りの道中は、ずっと手を繋ぎっ放しでした。

さて、遠足最後のチェックポイントはヤギとの触れ合い。
折しも二日前に、男女のヤギが生まれたばかりでした。

ずっと一緒だったサユリちゃんでしたが、ヤギの待つポイントに近づくと、僕を残してヤギまっしぐら。
最後の最後まで餌やりを続けていました。
f:id:goumonkobura:20190123165532j:plain

それまでも自分の関心事にトコトン素直だった彼女らしいと言えば彼女らしいですが、その姿に一抹の寂しさを覚えました。

こ、これが…父性ってヤツか!?

サユリちゃんと一日過ごした事で、有るはずが無いと思っていた僕の父性が呼び起こされたのかしれません(笑)

そんなこんなで遠足は終了。
園児達は、嵐の様にやって来て嵐の様に去って行きました。

ご近所とは言え、毎年志々島を遠足の場所に選んで貰い、本当に有難い限りです。

来年もまた、カワイイ園児とカワイイ先生が来てくれる事を期待します(笑)

第45話.いざ入湯!~後編~

さて、地道に風呂釜のサビ取りをした結果、何とか自分の納得行くレベルにする事が出来ました。

こちらがbefore・after。
f:id:goumonkobura:20190109165833j:plain
f:id:goumonkobura:20190109170103j:plain
写真だとキレイに映り過ぎてますが、実際は赤茶っぽい所も残っています(^^;)

これにてようやく準備完了。
入湯すべく、いよいよ風呂を沸かしに掛かります。

今度は風呂釜の半分程度しか水を入れないので、だいぶ短い時間で済むはずです!

…がしかし、それでもやっぱり冬の水温。
簡単にお湯にならないのは一緒です( ´~`)

また、折しも持病の腰痛が悪化していました。
だからこそ湯に浸かって温まろうと思った訳ですが…下の写真が風呂場の外観です。
f:id:goumonkobura:20190109170222j:plain
焼却炉の扉が有るのが、何となく分かるでしょうか?
低い位置に付いているので、燃やす物を放り込んだり火を扇いだりするのに、しゃがんで体を折り曲げなければなりません。

日が暮れて寒くなるわ、無理な体勢で腰も痛くなるわで、限界を感じました(*_*)

そこで、まだまだお湯がぬるいのは承知の上で、風呂に入ってみる事にしました!

…うん、ぬるい(-_-)

時々手を入れて温度を確かめながら風呂を沸かしていたので、分かり切った事です。
せいぜい38度くらいでしょう。

「釜に直接体が触れたら火傷するんじゃないか!?」という不安が、これまで五右衛門風呂を敬遠していた理由の一つでした。

今は逆に、冷水を火傷する程の熱湯に出来る精神力が僕に有るならば、やりたい位です(苦笑)

長時間浸かっていたら水風呂になってしまうので、早々に切り上げてシャワーで体を温め直しました(^^;)

そんなこんなで、初の五右衛門風呂体験は幕を下ろしました。

感想を一言で述べますと…『時間が惜しい』です。

そもそも東京に住んでいた時ですら、湯船に浸かるのは年に何回か。

蛇口を捻れば直ぐにお湯が出る環境でもそんなでしたから、五右衛門風呂となれば尚更です。

食事の支度も控えている時間帯に、正直そこまで時間を割けません。

風呂を沸かす労力を考えても、割に合わないな~と(苦笑)

これを日々の暮らしで、当たり前の様にやっている人達は凄いと思います。

五右衛門風呂に入って芯から温まりました。
めでたし、めでたし♪

…というハッピーエンドを期待された方には申し訳ありませんが、これがリアルガチ。

住む場所が変わっても、考え方まではそう簡単に変われないものです。

心と時間に余裕が無いと、ノンビリお風呂には入れないですね( ´~`)

雨が降って退屈で退屈で仕方無い時でも有れば、またトライするかもしれません。

それまで五右衛門風呂は封印します(笑)