せとうち志々島移住日記

東京生まれ・東京育ちの元プログラマー。父母ヶ浜で有名な香川県三豊市に属する離島・志々島(ししじま)に移住した新米島人です。 その日常を綴って行きます。

第60話.香川本鷹始めました~苗作り激闘編~

僕の苗床の様子を知って、センパイ島民からは「これはもう駄目だろう…」という諦めの声が聞こえて来ました。

と同時に、物笑いの種にもなっていたかもしれません(ー_ー;)

確かに絶望的な状況ですが、まだ苗作りの段階。
唐辛子作りのスタートラインにすら立っていないのに、諦める訳にはいかん!と思いました。

それ以上に、悲観的な声に対する反発心が芽生えて来ました(笑)

何の技術も要らない。
必要なのは、時間と根気だけ。

そう自分に言い聞かせて草取りを始めましたが…直ぐに心が折れそうになりました(~_~;)

それは、1~2時間続けても「え、たったコレだけ!?」と驚く程にはかどらないからです。

周辺に唐辛子の苗が無いとハッキリ言える時は、複数本の雑草をまとめて抜く事も出来ます。

でも、逆にその確証が得られない時は、雑草を一本一本抜いて行くしかありません。

実際、そのケースが殆んどでした(T_T)

そうやって細心の注意を払っても、唐辛子をウッカリ抜いたり折ったりという事は少なくなかったです。

ちなみに唐辛子の芽は、こんな葉っぱの形をしてあます。
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写真の物はだいぶ大きい方で、発芽したばかりの物はもっと小さく弱々しい感じです。

とにかく、悔やんでいる暇は有りません。

「止まない雨は無い様に、抜き終えない雑草は無い!」と信じて、草取りを続けました。

果たして何千本?何万本?の雑草を抜いたのか、数える気力も無かったので分かりません。

たった1.5畳ほどの苗床が、広大な草原に思えました(*_*)

草原と錯覚したからではないですが、途中からはピクニックシートを敷いて寝そべり、体力を温存しながら草取りしてましたね(苦笑)

そして…遂にその時を迎えます。

前回のブログの写真を再掲しますので、ビフォー・アフターをご覧下さい!
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見事、雑草に覆われていた唐辛子の苗が丸裸になりました!( ´∀` )b

当初は、全ての雑草を抜き終えるのに4日は掛かると予想していました。

が、実際の総作業時間は5~6日に達したと思います。

やり遂げて、ある種の達成感に包まれた僕ですが、前述の通りまだ唐辛子作りは始まってもいません。

もっと言えば、種を蒔く場所さえ気を付けていたら、味わわなくても済んだ苦労でした(苦笑)

第59話.香川本鷹始めました~苗作り苦悩編~

さて、本鷹の種も手に入ったので、先ずは苗作りからスタートです。

育苗用のポットやトレイを使う方法も有りますが、土に直蒔きした方が大きく育つとセンパイ島民から薦められたので、それに従う事にしました。

苗床の場所は、僕がキンセンカを育てている畑の直ぐ脇。
土地の形状的な問題で、畑としては使われて来なかったスペースです。

唐辛子は寒さに弱いそうなので、種蒔きしてからビニールハウス的な物を設けましたが、僕が島を留守にしている間に春の嵐で吹き飛ぶ、なんて事も有りました(苦笑)

そんな逆境にも負けず、スクスクと育ちました。

…雑草が!(*_*)

聞けば、長年畑として使われている土地なら、雑草が生えにくいとの事(あくまで「比較的」というだけで、しっかり生えます)。

一方、そうでない土地は人の手が入っていない分、雑草も繁殖し易いそうです。

ただ、それを知った所で後の祭り(^^;)

この状況を打破するには、唐辛子の芽を残しつつ雑草だけ抜くしかありません。

でも芽はまだまだ小さく、雑草と見分けるのは非常に困難。

なので、草取りは唐辛子の成長を待ってからにしようと、暫く様子を見る事にしました。

が、しかし。

当然ながら雑草も一緒に育つので、結果ご覧の有り様に(~_~;)
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芝生にしか見えませんが、苗床です。
写真で確認出来る草の内、99.9999…%は雑草です(苦笑)

苗床の面積は、せいぜい1.5畳程。

全ての草を取って良いのなら、ショベルで掘り返してしまえば30分も掛からないでしょう。

でも、残念ながらそうは行きません…。

ここから、僕の地味で地道な戦いの幕が開けました。

第58話.香川本鷹始めました~序章~

香川本鷹(かがわほんたか)は唐辛子の一種で、一般の物と比べると大きくて赤色が濃く、辛さは国産でトップクラスと言われています。
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かつて、香川県中西部の塩飽諸島(しわくしょとう)と呼ばれる地域で活躍した水軍が、安土桃山時代に朝鮮から持ち帰り伝えたという言い伝えが残っています。

その塩飽諸島で盛んに作られていましたが、外国産の急増で昭和55年頃に栽培が途絶えたそうです。

平成18年の復活プロジェクトにより、手島を始めとする一部の農家さんで栽培が再開されたものの、高齢化などの問題で生産量は減少傾向に有ります。

…と、長々書いてみましたが、インターネットで調べれば出てくる情報なので、この位に留めたいと思います(苦笑)

さて、先月のブログで収入源を作りたいという話をしましたが、何が良いか色々と考えていました。

その内の1つが、香川本鷹でした。

ちなみに志々島は丸亀藩に属していた為、塩飽諸島に含まれていません。

とは言え、直ぐお隣りの島ですし、香川の歴史有る作物で希少価値も高い。

なので、やってみたら面白いのでは?と思いました。

その話をセンパイ島民にした所、農業試験場から香川本鷹の種を取り寄せてくれるとの事。

やりたいと言ってもどうやって種を手に入れるんだろ?と思っていたので、正に渡りに船でした。

実を言うとこの時点では、今年は実験的な栽培に留めようと考えていました。

が、これでもか!という程沢山の種を貰い、「どうせやるなら売るつもりで、本気でやってみなさい」と言われたので、「よ~し、だったらコッチも作れるだけ作ったる!」と覚悟を決めたのです。

こうして、香川本鷹への挑戦が始まりました。

第57話.黄金週間

皆さんはこの10連休、どう過ごされましたか?

僕も東京に住んでいた時は、2泊3日以上の旅行を計画出来る絶好の機会なので、G.Wは最高の楽しみでした。

そのG.Wが仕事で消し飛んだ事が、移住を決意する引き金になったと言っても過言ではありません(笑)

それはさておき、「観光する側」から「観光客を迎える側」になって、G.Wが違った意味を持つ様になりました。

世間が休みの時に働く、サービス業の人達と同じ心境です。

実際、草刈りやら掃除やら、そんな事ばかりして過ごした気がします(苦笑)

その締め括りが、5月5日の「大楠祭り」でした。

昨年、志々島最年少の女子(年齢は秘密)による提案で始まったイベントで、今年が2回目となります。

今回は大楠の下、皆で一緒にお昼ご飯を食べようというシンプルな形になりました。

前回は様々な儀式?が詰め込まれたイベントでしたが、僕も特別な仕掛けは必要無いと感じていました。

沖縄のお墓参りでは、親族が墓前でお供え物を分け合って食べたり、宴会したりする風習があるそうです。

そうやって、故人に縁の有る人達が一堂に会する事が、何よりの供養になるんじゃないかな?と、勝手に解釈しています。

大楠と仏様とは別物ですし、こじつけに聞こえるかもしれませんが、大楠を好きな人達が集まって楽しく過ごす事で、大楠さんも喜ぶのでは?と思います。

スピリチュアル的な見解ですけど(笑)

さて、迎えた当日は快晴!

午前中は「ござ」を敷き易くする為に…やっぱり草刈り(^^;)
参加する皆さんを迎える準備をしました。

「そんな企画で人が集まるの?大丈夫?」と心配する声も一部に有りましたが、最終的には40人近い方々にご参加頂けました。
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僕が想定していた倍の人数だったので、大成功と言って良いでしょう(^_^)

外でご飯を食べると美味しく感じるという人は少なくないと思います。

しかも、大楠と瀬戸内海が「おかず」となれば尚更の事。
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あくまでも主催者はその娘で、僕はお手伝いに過ぎませんが、年に一度の恒例行事として続けたいものですね。

第56話.月明かり

志々島の夜は真っ暗です。

港周辺こそ、夜間航行する船の為のライトでそこそこ明るいですが、それ以外の場所では街灯もまばら。

だから夜は、家で大人しくする他ありません(^^;)

でもそのお陰で、星は良~く見えます。
志々島の星空を見に、皆さん泊まりに来て下さい!(笑)

それはさておき、暗いのは家の外だけでなく家の敷地内も、です。

僕は島一番の豪商だった方のお屋敷の「離れ」に住んでいますが、トイレやシャワー室は「母屋」の方に設置してあります。

が、庭を横切ってそこまで行くと部屋の明かりも届かず、ライト無しで歩くのは危険な位です(*_*)

なので夜間は、太陽電池式の人感ライトやヘッドライト付きの帽子などを利用しているのが実状です。

ただ時々、そういったアイテムを必要としない日が有ります。

そう、それは満月の晩。
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昔の人は月明かりで勉強したなんて話を聞きますが、それもあながち嘘じゃないなと納得出来る程で、庭全体を見通せます。

東京に居た頃は、十五夜スーパームーンの時ぐらいしか月の存在を意識する事は無かったと思います。

そもそも街明かりがまぶし過ぎて、月の明るさにも気付かなかったでしょう。

という訳で、都会から離れる事で知ったささやかな発見のお話でした。

第55話.この一年を振り返る

志々島に移住してから1年。
本当にあっという間で、5年分位の経験をした気がします。

移住する前は、様々な不安を持っていました。
・体力が無いのに農業が勤まるか?
・ムカデと戦えるか?
・どうやって収入を得るか? etc…

ただ、いずれも実際に暮らしてみなければ分からない事だと思ったので、不安を抱えたまま移住に踏み切りました。

で、結果的にどうかと言えば、大体の事は騙し騙しやり過ごせるかなと思います。

ただ一つ、お金の事を除いて。

志々島には事業が無いので、収入を得るには基本、四国本島へ出稼ぎに行かねばならないのが現状です。

その為、当初は一年目で土台を作り、二年目で収入を得られる様な状態にしようと目論んでいました。

しかし実際は、考えていた事の5%も出来ませんでした(*_*)

それは、誰かが知恵を貸してくれるだろうと受け身になっていた部分が有ったからかもしれません。

加えて、一年目は収入が無くても構わないと考えていたので、ボランティア的な作業に多くの時間を割いた事も一因だと思います。

二年目も同じ事をしていては何も変わらないので、今年度は「この人でなし!」と罵られようと、生計を立てる事を第一に考えるつもりです(笑)

その一環として先月から始めた事も有りますが、まだ言える段階ではないので、別の機会にまたお話します。

ただ、島で事業が作れたとしても、それだけで生活するのに充分な稼ぎが得られるとは思っていません。

島で得られる収入が全体の20%、何なら10%でも構いません。
出稼ぎもしつつ、トータルで必要最低限の収入を得るのが当面の目標です。

さて、移住直後から始めたこのブログも一周年を迎えました。

志々島のPRになればと思って続けていますが、果たしてPRになっているのか?
何だったら逆効果、マイナス効果になっていないか?と思う事も多々有ります(笑)

また、似た様な内容は避けようと自分で勝手にルール付けしているせいで、ネタ選びに苦心しています(^^;)

でも先日、名古屋から僕のブログのファンだという変わった人(失礼!)が志々島に来て下さったりして、少しは世間に影響を与えているのかも?と思えて、とても励みになりました(^_^)

志々島での生活が続く限り、何よりもネタの続く限りはブログを書きますので、引き続き見て頂けたら幸いですm(_ _)m

第54話.春が来ぬ!?

ニューヨーク・タイムズの「2019年行くべき52カ所の旅行先」として、日本から唯一選ばれた「瀬戸内の島々」。

志々島も属する香川県三豊市紫雲出山(しうでやま)の写真が選出の決め手だった、というのが事の真相です。
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(C)三豊市観光交流局

で、その紫雲出山にも桜シーズンが到来しました!\(^o^)/

記事を見て沢山の外国人観光客が訪れる事も予想されましたが、山頂への道はとても細く、車がすれ違えない程です。

実際、去年の桜シーズンはマイカーが何時間もの渋滞を起こし、大パニックだったそうです。

その為今年は、シーズン中のマイカー進入を禁止し、シャトルバスを運行する事となりました。

それを取り仕切るのが三豊市観光交流局の皆さんなのですが、通常の業務に加えてその準備と運営に当たる為、てんてこ舞い状態。

この話に僕がどう絡んで来るかと言うと、昨年カレンダーのバイトをしたご縁も有り、桜シーズンのお手伝いをさせて頂く事になった、という訳です。

さて、準備段階では印刷されたチケットをカッターで切り分けたり、看板をラミネート加工したり、駐車場にラインを引いたり…。
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前日まで細々した作業が残っていて、バタバタでした(苦笑)

そして迎えた桜シーズン初日。

僕は、シャトルバスが発着する大浜という漁港の駐車場に配属?されました。
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が、桜はまだ開花しておら~ず。
更には、雨が降ったり止んだりの悪天候に見舞われました( ´~`)

続いて2日目。
標本木の花が咲いて開花宣言を行なったものの、99%はまだつぼみ。
そして、かなりの強風。

3日目は…2日目以上の強風(*_*)
寒さに耐えるのが仕事、みたいになりました(^^;)

そんな状況下でも、最初の日曜には千人以上のお客さんがバスに乗車されたのだから驚きです。

ちなみに、予想通り海外からも大勢のお客さんがやって来ましたが、高松空港への直行便が出来た影響か、香港の人達が特に多かったですね。

僕のお役目はその時々で変わったものの、最寄り駅に向かうバス停への案内には注力しました。

会場から少し離れた所にあり、且つ外国人には分かりにくい道だった為、一緒に歩いたり時にはダッシュしたりして、きっちり送り届けました。

スタートこそ春の嵐に翻弄されましたが、そこから徐々に天候が回復し、桜の開花も進みました。

そして迎えた2回目の土日は、暑い位の快晴。
桜も8分咲き→満開となりました!

とにかくお客さんの出足が早く、開始時間前からチケット待ちで長蛇の列が。

イカー用の駐車場はパンク寸前。
最寄り駅から出るコミュニティバスに乗り切れないお客さんも沢山居て、臨時便で対応する等、想定外の事も多々有りました。

山頂へ行くシャトルバスの台数が少ない土曜はかなりお客さんを待たせてしまいましたが、日曜はそれなりにスムーズだったと思います。
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当初は、「バイトのついでに満開の桜が拝めるなんて役得だぜ~Ψ(`∀´)Ψケケケ」と考えていました。

が、結局この目で直接見れたのは3分咲き(苦笑)

でも、大規模なイベントに携わる事が出来て、色々と勉強になりました。

桜が有ろうと無かろうと、紫雲出山から見る多島美は圧巻ですので、是非一度お越し下さい。

志々島も見えますよ~!
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