先日、父母ヶ浜で有名な三豊市仁尾町の農家・Nさんの元を、ちと用事が有って訪ねました。
こちらでは時々、志々島の住民がバイト等でお世話になっています。
当日の朝、待ち合わせ場所に到着するなりNさんから、イノシシが罠に掛かったので仕留めに行かなければならないと聞かされました。
僕もイノシシ猟には興味が有ったので、同行する事にしました。
と言うのも昨年、志々島にもイノシシが上陸し、あちこちで被害が出る様になったからです。
まだ頭数は少ないと思いますが、そのままにしておけば爆発的に増えるのは確実。
そんな事情も有り、イノシシの問題は大きな関心事の一つなのです。
ちなみにNさんは、周辺地域の7箇所に罠を設置し、毎朝1時間半も掛けてチェックするそうです(^^;)
罠の種類は「くくり罠」と言います。
こんなヤツを地中に埋めて、その上を通ったイノシシの足にワイヤーが巻き付くといった具合です。
現場に到着すると、既に近所の農家さんらが待ち構えていました。
生のイノシシを見るのはこれが初めて。
イノシシが掛かっていたのは高台の茂みの中で、先ず人は歩かない様な場所です。
「獣道」と呼ばれるイノシシの通った跡に罠を仕掛けるのがセオリーみたいですね。
子供のイノシシでしたが、それでも体長は約90cmも有りました。
猟銃でズドン!と行くのかと思いきや、電気ショックと槍で仕留めるとの事。
棒の先に電極?が付いていて、イノシシが感電して動きが止まった隙に、槍でグサリと突く…という手順かと思います。
ただ、罠に掛かっていてもワイヤーは伸びるので、イノシシもジッとしていてるどころか、Nさんに向かって行きます(゜ロ゜ノ)ノ
だから、武器を持っていても全く安心出来ません。ハッキリ言って危険です。
動物のパワーと恐ろしさは志々島の子ヤギで経験済みなので、Nさんが仕留めるまで僕は決してイノシシに近付きませんでした(笑)
暫くつばぜり合いを続けた後、Nさんが槍を一閃!
辺りにイノシシの悲鳴が響き渡りました。
最後は、喉笛を鋭利なナイフでかっ切ってTHE END。
トドメの意味はもちろん、肉の鮮度を保つ為でもあるかも?です(あくまで推測)。
しかし、ここからがまた大変な様で、イノシシを仕留めた事を報告する為、以下の作業が必要になるとか。
1. 仕留めたイノシシを「右向き」にして写真を撮る
2. 猟友会の制服?を着用した上で、イノシシと一緒に写真を撮る
3. 耳とシッポを切り落とす(提出用)
4. 書類の記載
報酬が支払われるので証拠は必要ですが、あまりに煩雑過ぎます。
何だかんだで、半日は潰れてしまうでしょう。
イノシシ等による獣害は深刻な社会問題です。
その駆除を促進するには、こうした手続きを簡略化する事が急務に思えます。
ホイホイ持ち込まれると支出がかさむので、役所は敢えてハードルを上げているのかもしれないですけどね…(-_-)
今年、センパイ島民の一人が狩猟免許を取る予定ですが、そう簡単に罠に掛かるものではないし、捕まえてからもまた一筋縄では行かないものだという事が良~く分かりました。