せとうち志々島移住日記

東京生まれ・東京育ちの元プログラマー。父母ヶ浜で有名な香川県三豊市に属する離島・志々島(ししじま)に移住した新米島人です。 その日常を綴って行きます。

第106話.夏の装い

梅雨が開けて、香川県も夏本番を迎えています。

そこで今回は、僕の夏のコーディネートを披露したいと思います。

なお、下半身は長靴と綿のズボンで通年過ごしているので、割愛させて頂きます。

先ず1着目は、今年買ったばかりの冷却ベスト。
水で濡らすとヒンヤリする素材で出来ています。
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着心地は…汗でビチョビチョの服を着ている感じを想像して下さい。

これが有れば後述する空調服は要らない!みたいな謳い文句でしたが、それ程涼しくはなりません(笑)
でもまあ、気休め程度にはなります。

続いてその上の2着目は、綿の何の変哲も無い長袖シャツ。
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夏には不向きな厚手の生地ですが、肌を露出させないのは蚊対策として止むを得ません。

薄くて通気性の良いスポーティーなシャツでは、服の上から蚊にガンガン刺されてしまうので裸に等しいです(笑)

軍手と腕カバーも蚊対策の一環です。
アブには敵いませんでしたが(苦笑)

そして3着目は、意外と認知度が高い?空調服
もはや、これ無しで真夏の屋外作業をする気にはなれません。
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背面のファンから空気を取り込みます。
服の中に扇風機を仕込んでいる様な物で、これによって間違いなく体温上昇が抑えられます。

ただし、どのメーカーの物を買うかはよくよく考えないといけません。

去年の夏に買ったばかりで2シーズン目でしたが、電源コードが接触不良になりました( ´~`)

パーツ交換しようと思ったものの、何時入荷出来るかすら分からないという状況。

前面のファスナーの噛み合わせが悪くなって閉めるのに格闘する事も有ったので、頭に来て別の物に買い換えました!o(`Д´*)o

最後はネット付き帽子。
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隙間を掻い潜って蚊が入り込んで来るので、これでも万全とは言えません。

でも…被っていないと死にます(苦笑)

枚数だけで言えば、冬場の方がむしろ薄着です。
動いて暑くなったら、躊躇無くシャツ1枚にもなれますしね。

余談ですが、ズボンの上から膝を蚊に刺される事が最近続いた為、ニーパッドも付ける様になりました(笑)

全て装備するのに10~15分は掛かるので嫌になりますが、やらないと自分の気が済まないので仕方無いです。

第105話.梅雨の谷間のDIY

今年は長梅雨でしたが、梅雨入りするまでに時間が掛かった気がします。

畑の在る高台に水道が通っていない志々島では、水やりに苦労しました。

で、常々話題に挙げている壇上(だんえ)という丘では、20Lのポリタンク×4に水を入れてキャタピラで運んだりと、割に合わない命懸けの頑張りが必要でした(~_~;)

そのやり方に限界を感じた僕は、新たな貯水装置を作る事に決めました。

大工仕事を敬遠する僕が腰を上げるというのは、よっぽどの事です(笑)

梅雨の内に作らないとタンクを満水に出来ないだろうという予測も、決断を後押ししました。

今回作ろうと考えたのは、道具小屋になる「余地」を残した貯水装置です。

最優先ではないですが、いつか小屋が必要になるかもしれないと思い、少し屈めば入れる130cm程の高さに設定しました。f:id:goumonkobura:20200805163220j:image

如何せん、背が高い割には柱が細いので、いささか不安定です( ´~`)

材料費をケチって安い角材を買ったのがイケないのですが、土台のコンクリートブロックに鉄線で括っているので強風で丸々吹き飛ぶ事は無いでしょう。

でも、柱がポキッと折れるかもしれません(苦笑)

さて、雨樋を扱うのは初めてでしたが、屋根と樋に傾斜を付けるのはちゃんと心得ています。

しかし、屋根の骨組みとトタンをピッタリ同じサイズで作ったのは失敗でした。

釘で打ち付ける前の実験で、トタンの端が雨樋の上に少し出張る様にしないと、雨粒がトタンと樋の隙間からこぼれ落ちてしまう事に気付いたのです(*_*)

この程度の事でも、やってみないと分からないんですよねー。

仕方が無いので雨樋側にトタンをズラし、寸足らずになった反対側には廃材を充てて誤魔化す事にしました(苦笑)

もう一つ、本来は柱に沿ってパイプを繋いでタンクの口まで雨水を誘導すべき所ですが、手持ちの材料で強引に方向を変えて済ませました。

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見映えは悪いしロープと針金で結んでるだけの状態なので、これこそ強風で外れる可能性が高いです。

それでもやっぱり、材料費と工数を抑えるのが優先。
確信犯だと思って下さい(笑)

そんなこんなで一応の完成!f:id:goumonkobura:20200805163340j:image

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設置したポリタンクは300L入る大容量ですが、畑の全面に水を撒く場合、3~4回分に過ぎません。

更に言うと、とある事情により今年はそれ程水が必要ではなくなりました(~_~;)
詳しい事は又の機会に…。

ちなみにキャタピラには適さなかったので、材料は全て人力(一人)で運びました。

道具一つ忘れたら麓まで取りに戻らねばならないし、そういった部分も大工仕事が億劫になる理由だと述べておきます(苦笑)

第104話.我が心の海開き

30代後半から東京を離れるまでの間、綺麗な海が見たくて、連休となると沖縄の離島巡りをしていました。

空港や目的の島に到着するや否や、一目散に海へ向かって浸かるというのが常でした。

ちなみに僕はカナヅチです。
ライフジャケット無しでは深い所へ行けません(笑)

さて、志々島に移住してから3年目となりますが、これまで一度も海に入る事はありませんでした。

瀬戸内海も水質は悪くないですが、沖縄の様な白砂の浜辺は志々島に無いし、珊瑚も熱帯魚も居ない。

そういった楽しみが無いのに、海に入れば水着を洗う手間が生まれるし、家に帰って風呂にも入らなきゃならない。

でも一番の理由は、「定職にも就いてないのに、海でのんびりしてる場合じゃないだろ!」という心の余裕の無さでしょうか。

そうした中で先日、30度を超える真夏日が有りました。
午前中に屋外作業を目一杯して、既にフラフラの状態(*_*)

午後は休もうかと思った時、ふと海に浸かる事を思い付きました。
まあ…ちょっとしたご褒美ってヤツです(^_-)☆

ただ、志々島には前述の通り、「海水浴場」と呼べる様な立派な浜辺は在りません。

島の北東部には比較的良い浜が有るとセンパイ島民から聞きましたが、北部エリアは干潮時に歩きでしか行けず。
且つ遠いので、今回は見送り( ´~`)

残る東西南の三方向の海岸を巡って、比較してみました。

先ずは東の海岸。
お隣の高見島が正面に見えます。f:id:goumonkobura:20200726194242j:image

道の果てまでは自転車で、そこからは海岸を歩いて良さげなポイントを探し、いざ入水!

初めての瀬戸内海。その感想は…?

うーん、なかなか冷たい(苦笑)

梅雨明け前で水温がまだ充分上がっておらず、体感では25度ぐらいに思えました。

でも、バタバタ動いて体を暖めれば、耐えられない程でもなかったです(笑)

波が多少有って海底の砂を混ぜっ返すので、視界はあまり良くありませんでした。

続いては南の海岸。
ちなみに南と西へは、自転車で直接乗り付ける事が出来ます。

対岸に見えるのは、四国本島の玄関口である宮ノ下港です。

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狭~い砂浜が僅かに有るだけですが、手軽に行ける場所の中では一番浜らしい浜だと僕は勝手に思ってます。

波は全く有りませんでしたが、潮が満ち始めていたせいか、木の枝葉などの浮遊物が漂って来たので早めに退散しました(^^;

最後は西の海岸。
沖には魚の養殖いかだが浮いています。f:id:goumonkobura:20200726194341j:image

波は穏やかでした。
でも心なしか、水がより冷たく感じました。

三方向を比較してみたものの、波の強弱や潮の流れはその日その日の時間や天候で変わると思うので、あくまで「この日」に限った話ですので悪しからず。

とにもかくにも、海水浴から遠ざかっていましたが、一度解禁してしまうと抵抗も無くなりました。

来月や再来月、水温が上がった頃にまた入水してみたいと思います!

第103話.STOP THE フードロス!

世界的な問題である「食品ロス」。
それに歯止めを掛けるべく行なっている僕の取り組みを、少しだけご紹介します。

先ず、昨年から1年近く付き合っているのが「焼き肉のタレ」。

ゲストハウスにお客さんが残して帰った使い掛けの物を8本程、捨てるのは忍びないと預かったのが始まりです。f:id:goumonkobura:20200715182950j:image

ただ、焼き肉のタレの味は基本好みではないので、それで肉を食べる事はせず(-_-)

お好み焼きや焼きソバのソース代わりに使い続けた結果、残り僅かとなりました。

時々、何でこんなに頑張ってるんだろ?と自問自答する事が有ります(笑)

続いては今年の4月頃。
センパイ島民が大根の畑をやっていましたが、時期外れで廃棄すると聞き、慌てて取りに行きました。

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極太の物を3~4本使い、一部は煮物に。
残りは見様見真似で、切り干し大根に挑戦してみました。

刻むのにかなりの時間を要しましたが、あっという間に乾燥するので、意外とお手軽?かもしれません。

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如何せん、既に「とう」が立っていて、煮ても固くて食べられない部分が半分以上を占めていましたが、ダシが出るならまあ良いか?と割り切っています。

状態の良い大根を使って然るべき人が作れば、真っ白で綺麗な切り干しが出来る事だけはお伝えしておきます(笑)

その次は6月。
自治会長さんが牛島から持ち帰った大量の夏ミカンがターゲットです。

どんどん腐って行くのを見かねて30個ほど貰い、フードプロセッサーを使って果汁と果肉(種や薄皮を含む)に分離しました。

果肉は砂糖を入れて煮詰めたので、割と長持ちしました。
ジャムにするには量が多過ぎて諦めましたが(^^;

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一方で果汁は、一升瓶1.8本分の量になりました。
が、水で割ったりしながらチビチビ飲んでいたのが災いし、大半を腐らせてしまいました(*_*)

全然救えていない…(苦笑)

最近は、キュウリ・トマト・ナス等の夏野菜が氾濫しています。

島内のみならず、島外でも同時期に同じ作物が実を付けるので、結果としてあちこちから頂く事になります。

トマトやナスは大好きなので嬉しいのですが、それでもちょっと間隔を空けて欲しいというのが本音です(^^;

…と、ここまで書いて来ましたが、食品ロスに対して僕以上に頑張っているのは、移住2年目のTさんです。

僕と同じ東京からの移住者で、元々飲食店を営んでいた事も有り、料理はお手の物。

有り余った野菜を漬物などに調理した上で皆に配ったり、島民たちが釣り過ぎた魚をそぼろ煮にしてくれたりと、日々救済活動に勤しんでいます。

「病気以外は何でも貰う」がモットーの僕は、いつも感謝して頂いておりますm(_ _)m

第102話.逆襲の香川本鷹~コンパニオンプランツ編・その2~

綿花の種蒔きは5月初旬。
本来は、唐辛子と1畝ずつ交互に植えるのがベストですが、肝心の唐辛子の苗が十分に育っておらず( ´~`)

いつまでも待っていられないので、実施に踏み切りました。

こちらがその種。

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まだらで汚ならしく見えるのは、残った綿が周りにこびり付いている為です。

預かった種は900粒。
1ヵ所に3粒ずつ蒔き、育ちの良い1つを残して後は間引くのが基本なので、計算上は300株分に相当します。

2~3日前に種を水に浸すのが良いと聞いていましたが、その通りにして蒔くといとも簡単に発芽しました。
まん丸い双葉が特徴的です。

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とは言え、暑さにやられて干からびたり、カラスにつつかれたり、虫に食われたりで、 少なからず「脱落者」は出ました(^^;

そうやって綿花を先行させて時間を稼いだものの、唐辛子の苗は200に満たない数に落ち着きそうで、方針転換を余儀無くされました。

具体的には、綿花の種を更に900粒(300株分)貰い、綿花の領域を拡大させたのでした。

唐辛子メインで考えていたので、完全に主従が逆転した格好です( ´~`)

唐辛子と混植出来る所はして、足りない所は綿花だけにして畑を埋めて行きました。

でも結局は、用意した畑を使い切れませんでしたが(^^;

(ちょっとギザギザ、尖り気味が唐辛子)

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しかしながら、そんな風に追加した綿花も順調とは言えません。
畝1列、丸々発芽しない場所も有ったりする始末(~_~;)

仮に畑の土などに問題が無いとするならば、圧倒的に水が足りなかったせいかもしれません。

梅雨入りするまでとにかく雨が少なく、家から高台の畑まで2Lのペットボトル10本に水を入れて運ぶなんて事もしましたが、それでも充分な水やりは出来ませんでした。

今も生き残っている綿花は、蒔いた分の65~70%と言った所でしょうか。

何はともあれ、大きい物は結構大きく育ちました。

後は収穫まで、どうにか生き延びてくれれば良いのですが…果たして?

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第101話.逆襲の香川本鷹~コンパニオンプランツ編・その1~

 

綿布(めんぷ)は、塩・和三盆と共に「讃岐三白」の一つに数えられます。
西暦799年に愛知県へ綿の種がもたらされた翌年、紀伊・淡路・四国・九州に綿が植えられました。

しかし、実際に綿の生産が盛んになったのは、生駒親正(いこまちかまさ)が出兵先の朝鮮から持ち帰った綿と本鷹(唐辛子)の「コンパニオンプランツ」が行われる様になってからと言われています。

とりわけ、備讃瀬戸(岡山と香川の間の海域)は海上交通の要衝を活かし、大きく発展しました。

前述の「コンパニオンプランツ」という言葉ですが、違う種類の野菜を混植する事で、病害虫を抑えたり生長を助ける植え方を意味します。

…と、以上が人からの受け売りです。
あ~、疲れた(苦笑)

さて、何の話かと言いますと、綿織物の普及活動をしている島外の方が、僕が本鷹を栽培している事を知り、綿花作りを依頼して来たのでした。


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半径数km以内に違う種類の綿花が有ると交配してしまうから、離島が栽培に適しているとか。
ちなみに、唐辛子も同じ様な条件で交配するので、注意しなければいけません。

その為、引き受けるに当たってどんな綿花を栽培するか選ぶ必要が有りました。

綿花も複数種類が有り、白色の物に限っても3つに大別されます。

一番価値が有るのは和綿。
外国産の洋綿と比べて繊維が太短く、保温性・調湿性などに優れていますが、一つ一つの綿の量が少ないそうです。

次が国産綿。
交配種で純粋な和綿とは違いますが、その代わり綿の収量が多いというメリットが有ります。

で、最後が前述の洋綿。
安価ですが、和綿より質は劣ります。
和綿が下向きに実を付けるのに対し、洋綿は上向きだとか。

これまた受け売りです(笑)

で、僕が畑をやる理由はあくまでもお金なので、収量の多い国産綿を栽培する事にしました。

第100話.志々島の鉄人

志々島の最高齢は、この6月で96歳になるTおばあちゃん(以下、Tさん)。
お子さんは居ますが、現在は島で独り暮らしをしています。

認知症とは無縁で意気軒昂。
家事も自分でこなし、僕が面倒で放棄した揚げ物だって作ります(笑)

更には畑を幾つもやっていて、収穫した野菜を頂く事もしばしば。

そして島で唯一、新聞を購読する勉強家。
本当に頭が下がります(^^;

しかし、4月に入って直ぐの事。
自宅内で足を踏み外して、大腿骨の付け根を骨折(*_*)

連絡を受けた島民達の手によって、対岸の病院へと運ばれました。

幸い、綺麗に折れていたから上手く治せるとの診断でしたが、それだけのご高齢になると、手術に耐えられる体力が有るかが問題になります。

が、Tさんにその心配は無用。
島育ちの方は鍛え方が違います。
ちなみに、骨密度は100%を超えているそうです(笑)

その1週間後、手術は無事成功(^_^)v
2日後にはリハビリを開始しました。

退院しても良い状態でしたが、島から通うのは大変なので、入院してリハビリを続ける事を選択しました。

一般的に、ご高齢の方はリハビリに意欲が持てなかったり体力的に厳しかったりで、そのまま寝たきりになってしまうケースも少なくないと言います。

しかし、ここでもやっぱりTさんは違いました。

何としても志々島に帰るという強い意志をお持ちだったので、院内のリハビリメンバーでは当然最後発だったにも関わらず、最終的にはその中でTOPの回復(成績?)を見せたとか。

そして今月の初め、2ヶ月のリハビリを経て島に帰って来ました。
如何せん筋力の衰えによって、以前の様に1人で出掛けるのは難しいとの事です。

でも、手や口は相変わらず?忙しく動いているそう様なので、その点は安心しました(笑)

Tさんには100歳・120歳目指してまだまだ頑張って頂きたいので、僕に出来る事が有れば助太刀したいと思います。