せとうち志々島移住日記

東京生まれ・東京育ちの元プログラマー。父母ヶ浜で有名な香川県三豊市に属する離島・志々島(ししじま)に移住した新米島人です。 その日常を綴って行きます。

第166話.4年目を振り返る~前編~

4月4日は僕の移住記念日。
という訳で、恒例の振り返りです。

この1年を一言で表すなら、「実験」でしょうか。
この期に及んでまだ実験してんのか?とお思いでしょうが、そうなんです。

モリンガを作ったり、イノシシ禍の中でサツマイモを作ってみたり。

ミシマサイコも、本当の意味での栽培は昨年度からと言っても過言ではなく、まだまだ実験的なものです。

ちなみに、大根畑のイノシシ避けに唐辛子は有効かも?と思っていましたが、結局あの後しっかり食われました(苦笑)

さて、5年目のテーマは「選択」です。

可能性の無いものに執着しても仕方ない。
何を捨てて何を残すか?
その辺りを考えながら、行動したいと思います。

既に決めている事で言うと、唐辛子の栽培は一旦休止します。
理由は、昨年度に作った唐辛子製品が期待したほど売れなかったから。
需要が無いのに供給し続けても、在庫を抱えるだけです。

ただし、完全撤退という訳ではありません。

昨年収穫して乾燥させた唐辛子が山ほど有ります。
それらを必要に応じて加工して売りに出す、というスタンスで行くつもりです。

製品繋がりで言えば、ECサイトも一時休止しています。

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BASEというサービスを利用していましたが、問題は売上入金時の事務手数料です。

何ヵ月かに一度、まとめて入金が行われるのですが、僕の手掛ける商品は単価が千円に満たない物ばかり。

売上が事務手数料を下回ると相殺される為、利益が0円という事も有りました(*_*)

何度も購入して下さった方々には心から感謝していますが、自分の手元に何も残らないのでは、やる意味が無いなと( ´~`)

なので、一先ずは実店舗での売れ行きを見ながら、再開の道を探ってみようと思います。

あとは、モリンガやサツマイモは商売になっていませんが、今年も作るつもりです。

モリンガは自分の健康の為。
サツマイモは、昨年失敗した?リベンジです(細長いイモを作りたい…)。

それとこれは余談ですが、僕が運営する「志々島公式サイト」をリニューアルしました!


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…なんて、色味が変わった位で大きな変化は有りません(笑)

あ、でも一応、「空から見た志々」という空撮画像のページを追加しました。
使い回しの素材ですけど…(^^;

それ以外にも、ごく稀に更新する事が有りますので、半年に一度は覗きに来て下さい(笑)

後編へ続く

第165話.除虫菊の咲く丘で(仮)

蚊取り線香などの原料である除虫菊。
海外産に押され、国内での商用栽培は完全に途絶えてしまいました。

かつて「花の島」と呼ばれた志々島も、その例外ではありません。

全国的な事となると知識は有りませんが、瀬戸内海周辺に限って言えば、今も栽培しているのは広島県因島だけの様です。

昨年末、ミシマサイコの世話人である市役所の職員さんから持ち込んだ話を自治会長さんが引き受ける形で、島の絶景スポット・楠の倉展望台の前に、除虫菊の苗が植えられる事になりました。

種は前述の因島から調達し、それを三豊市の笠田高校の生徒さんが苗まで育てたそうです。

敢えて聞かずにいますが、種の保存も含めた実験的な意味合いの栽培だと推察します。

僕の立場からすると、
「ふーん、そうですか。まあ、頑張って下さいな。」
というのが正直な気持ちでした。

が、周辺の草刈りこそしていたものの、暫く様子を見ていても、次の一手を打つのはいつになるやらといった感じ。

畑をやるには、耕して・施肥をして・畝を作って…という手順を踏む必要になります。

せっかく頂いた苗を駄目にしたら失礼だし、そもそも高台での畑仕事はお年寄りに務まらないだろうと思っていた僕は、頼まれてもいないのに畑作りを始めました。

で、いざ現場へ行ってみると、草刈りしたとは名ばかり。

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地を這う様に発達したセイタカアワダチソウは手付かずで、とても耕運機を掛けられる状態ではありませんでした(苦笑)

なので、改めて草刈りからスタート。
狭い面積ですが、かなり手こずりました(^^;f:id:goumonkobura:20220328160446j:image

苗が40本なので、最終的には長さ4mの畝を4本作るだけ。

日頃やっている畑に比べたらカワイイもんで、そこまで耕運機を持って行くのが一番の仕事でした(笑)

12月初旬に、市の職員さんと苗の定植をして一先ず終了。

後は開花を待つばかりです。

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…と言いたい所ですが、花が咲くまで2年も掛かるんだとか(*_*)

当然、雑草だってまた生えて来るし、雨が降らなければ水やりもしないといけない。

一体誰がやるの?って感じです( ´~`)

そうこう言ってる内に、時は流れて3月。
除虫菊畑にキレイなお花が咲きました!f:id:goumonkobura:20220328160645j:image

…はい、残念ながらただの雑草です(-_-)

放っておきたいのは山々だけれど、放っておけないのが僕の性(さが)。

応急措置的に、苗周辺の草だけ抜き取りました。
続きはまた今度やるつもりです。f:id:goumonkobura:20220328160704j:image

しかしながら、こんな風に2年間、騙し騙し世話して行けるものか、自信は無いです(~_~;)

そんな訳で、皆さん。
志々島にお越しの際は、どうぞ除虫菊畑の草をむしって帰って下さい(笑)

第164話.ミシマサイコ~根もみ編~

サイコの土や泥を洗い落とした後に待っているのは、「根もみ」と言う作業工程です。f:id:goumonkobura:20220318180445j:image

乾燥で硬くなる前に、絡み合ったり横に広がった根を真っ直ぐに伸ばしたり、毛根をしごいて落したりする事から、「根もみ」と呼ばれているんじゃないかと思われます。

加えて、炭疽病(たんそびょう)などで黒くなった病気部位の切除もしなければなりません。

実を言うと、洗浄と根もみは並行して行なっていました。
日中は洗浄。
夜は夕食後、寝るまでの時間を利用して根もみ作業。

種で失敗した事を教訓に、最低でも1ヵ月の乾燥期間は欲しいなというのが一番の理由ですが、更には次年度の畑作りも控えていたので、無理をしてでも早く終わらす必要が有りました。

その為に、下手なブラック企業よりもブラックな働き方に手を染めました(涙)

洗浄ほど時間は掛からないものの、それでも一本一本相手してやる事に変わりは無く、「小さい根っこなんて捨ててしまおうかな…」と考えたのは、一度や二度ではありません(^^;

切除作業を進めていると、黒くなった病気部位の多さが目に付きました。
この写真で言えば、左の根っこの上部の黒ずみが該当箇所です。

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ここも駄目、そこも駄目、ぜんぶ駄目。

それが一本の根のごく一部分だとしても、「チリ積理論」で増えて行き、乾燥前の状態で3~4kgはゴミになったんじゃないかと思います(~_~;)

ただ、これら全てが炭疽病かと言ったら答えは否で、根もみまでの保管方法に問題が有ったと考えています。

根の乾燥が進んでしまうと硬くなって割れ易くなり、根もみ作業が難しくなります。

乾燥を防ぐ為、ポリ袋に入れて保管するという手段が有るのですが、それにも限界が有るだろうと、水をぶっかけたりしていました。

悪かったのはその後で、充分な水切りをせず袋に入れっぱなしにして、泥水に浸かった状態の根っこも有ったんじゃないかと。

それらが、腐ったりカビたりという劣化に繋がったと推察します。

でも、やってしまった事は仕方無い。
かくなる上は、残ったヤツらを大切にするのみです。

おおよそ8日間掛けて、「3巡目」を終えました。

頑張った甲斐も有り、ほぼ1ヶ月の乾燥期間を確保する事が出来ました。

乾燥スペースとして、隣りの空き家を使わせて貰いました。
老朽化で空いた風穴によって自然と外気が入るので、乾燥作業には打って付けです(笑)f:id:goumonkobura:20220318180615j:image
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そして1ヶ月後の3/14、満を持して納品を行ないました。
30kg用の米袋で3袋分ですが、水分の抜けた根っこの総重量は、6~7kgにしかなりませんでした( ´~`)

納品と言いつつ、実際は市役所の職員さんが高知県の契約企業まで、皆から預かったサイコを持って行ってくれます。

これでやっと肩の荷が下りた…と思いきや、直後に一本の電話が。

またしても、またしても、乾燥が不十分だったとの指摘でした(*_*)

出来るだけの事はしてみるとも言われましたが、「ここまでやって駄目ならどうすりゃいいんだ!?」と、落胆を越えてもはや諦めの境地に達してしまいました。

既に今年の畑作りは始まっており、いつまでも引きずっていられないので、開き直って作業に集中しました。

それが昨日になって、職員さんらが現地で追乾燥をした結果、お咎め無しになったと知りました。

今度こそ本当の意味で、一連の納品作業は終了です。

サイコにまつわる全ての作業はもちろん、このブログを書き上げるのにも大苦戦しました。

とことん、困ったヤツです(苦笑)

第163話.ミシマサイコ~根っこ洗浄編~

根っこを持って海を渡り、同じ三豊市の高瀬という町へ向かいました。

茶業組合の敷地を間借りする形で、ミシマサイコの生産者向けに洗浄機が置かれていたのが、その理由です。

例によって写真を撮り忘れたので、LINEで貰った資料動画をキャプチャーするというトリッキーな手を使いました(しかも期限切れで再生出来ずw)

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ベルトコンベアにサイコをセットし、上手から下手に流れて行く間に圧力を掛けた水で洗浄する、といった仕組みです。

その為、上手でセットする人・下手でキャッチする人とで、最低2人必要になります。

そこで今回も、自治会長さんに付き合って貰いました(^^;

が、膨大な数のサイコを一つ一つ並べてコンベアに乗せて流すので、かなり時間が掛かります。

また、絡み合った根の間に入り込んだ土を洗い流すには水圧が弱く、洗い直しが必要になりました。

しかし、一番の問題は水源です。
水は近くに設置された2つのタンクから供給されるのですが、結構な容量なのにも関わらず、あっという間に失くなってしまいます( ´~`)

タンクの水が尽きたらコンベアをストップし、もう一方のタンクに付け替えて、その間に空のタンクに給水しなければなりません。

やがて追い付かなくなって、両方ともジリ貧状態に(*_*)

そんなこんなで、洗浄作業は思う様に進まず、半日掛けてもコンテナ1杯程度でした。

「サイコを平らな所に広げて、高圧洗浄機で一気に洗った方がいいのでは?」という自治会長さんの言葉に、同じく割に合わんなと感じていた僕は同意し、続きの作業は島内で行う事にしました。

島に帰った後、僕が出稼ぎの都合で留守にしている間、自治会長さんが根っこの洗浄の続きを試みてくれました。

がしかし、高圧洗浄機は強烈過ぎると思い直し、使う前に断念したそうです(苦笑)

加えて、広げて洗っても結局は一つ一つチェックしなければ土が落ちているか分からない為、作業は難航したとか( ´~`)

聞くだけでは分からないので、実際どんなものかと、自分の家に持ち帰って庭先に広げてやってみました。

ウチのホースの先端には切り替え式のノズルが付いていて、ストレート型にするとまあまあ強力な水を放出する事が出来ます。f:id:goumonkobura:20220308175526j:image

いざやってみて、はかどらない理由がよく分かりました。

しっかり時間を掛けて水を当てないと、頑固な土や泥を取り除く事は出来ませんでした。

だから、まとめて一気に洗おうとしても効率アップには繋がらない、という結論に至りました。

「じゃあ、どうするか?」と言われたら、答えは1つです。

地道に1本ずつ洗う。
それしか方法は有りません。

ちなみに、根っこの洗浄に先立って、邪魔になりそうな地上部(茎葉)の切除作業を行いました。

何千なのか何万なのか?
数える気にもならないサイコの地上部を、剪定バサミを使って切り落として行きました。

ほんの一部ですが、これらがその切除した物です。

根っこよりゴミの方が遥かに多い…(^^;

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つまりは、この切除作業が1巡目。
洗浄作業が2巡目に当たります(苦笑)

自分がやった分だけでも、丸4日は費やしたと思います。
全ての根っこを綺麗に洗い、納品準備は完了!

…と言いたい所ですが、ウソです。
ここから引き続き、「3巡目」へと突入するのでした(~_~;)

つづく

第162話.ミシマサイコ~根っこ収穫編~

種の納品で「てんやわんや」するとはまだ知らずにいた、1月上旬の事。

本来の主目的であるサイコの根の収穫は、三豊市にある笠田高校の農業科の生徒さんらが、実習の名目で手伝いに来てくれる話になっていました。

それですっかり安心していたのですが、過度の期待は掛けられなくなりました。

と言うのも、手伝いに来てくれるのは三年生の生徒さん9名と先生2名で、そもそも実習は90分が一つの目安です。

また、コロナ禍で修学旅行が中止になったそうで、その代わりの意味合いも含んでいると聞き、島内観光を楽しんで帰って欲しいという想いも有りました。

なので、自分でも出来る限り進めておこうと、先行して根っこの収穫を始める事にしました。

しかし、いざやってみて分かりましたが、これがとんでもなく時間が掛かる!(*_*)

1つの畝に対して2列植わっているとは言え、10mに満たない畝でも半日やそこらは費やしました。

スコップで少し遠目の地面を掘り返し、「てこ」で浮き上がった株を根こそぎ取って、絡み付いた泥や土を可能な限りはたき落とす。

…と、ここまでが一連の動作になります。

このペースでは、いくら高校生諸君に頑張って貰っても終わらないだろうなと確信し、本気モードで収穫を進めました。

途中、短期間だけ先輩島民に手伝って貰ったりもしましたが、それでもまだまだ。
出来たのは、畑全体の1/5ないし1/6という進み具合でした( ´~`)

ちなみに、サイコの根はこんな感じ。
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もっと立派なヤツも有りましたが、写真を撮ってません(苦笑)

迎えた当日。
生徒さん達は午前中の内に志々島入りして、先ずは島内観光とお昼を楽しんで貰いました。

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人生楽ありゃ苦もあるさで、午後からは楽しくない実習のスタート。

体力が有り余っている若者達にとって、土を掘るのはお手の物です。


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が、初めましてのサイコを雑草と見分けるのは難しく、雑草を収穫してしまいかねない為、監視の目?を光らせておく必要が有りました(笑)

実際、異物の混入も見受けられましたが、分からなくて当然。
手伝って貰えるだけでも有り難しです。

でも、いつもながらマンパワーには驚かされます。
結果、予想していた以上にはかどり、大変助かりました。

それでもやっぱり終わらない程広いのが、僕のサイコ畑。

種の収穫の時と同じく、残りは自分一人でやらなければなりません、はい。

が、その前に一度、洗浄作業を体験してみようという事になり、収穫済みの根っこを持って、海を渡ったのでした。

第161話.天空の実験場

「志々島天空大根」の名前で売り出している、大楠に程近い高台で栽培する大根。

今年も作ってみましたが、予定していたよりも早く、1月半ばには収穫出来る状態になりました。

その質の良さは、昔を知る島のお年寄りからもお墨付きを頂ける物で、僕の実力ではなく、地力(ちりょく)が物を言っています(笑)f:id:goumonkobura:20220216165713j:image

で、本題はここからです。
昨年は、結構な数の大根を猪に食われました( ´~`)

しかも、土から顔を出した一番太くて美味しそうな部分だけをかじるという、非常にイヤらしい喰い方です(苦笑)

そこで今回は、畑の周囲に杭を打ち、そこに唐辛子と人毛を入れたネットをぶら下げるという対策を講じてみました。f:id:goumonkobura:20220216165812j:imagef:id:goumonkobura:20220216165824j:image

加えて、廃棄する唐辛子を有るだけ畑に撒きました。
猪は唐辛子を嫌うと、今はまだ信じています(^^;

収穫を始めた頃、猪にやられた様子は全く無く、今度こそ「完全勝利」か?と思えて来ました。

しかし2月に入り、出稼ぎから帰って畑に行ってみると…チョコチョコと被害の跡が(*_*)


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実は一ヵ所、杭の先があまり尖っておらず、早い段階で抜けてしまった場所が有りました。

が、「これだけ守りを固めているんだから、少しくらい隙が有っても大丈夫だろう」という根拠の無い自信に溢れており、直さずにそのまま放置していました。

そこから難なく出入り出来る訳ですから、食われて当然と言えば当然。
慢心が招いた結果です(苦笑)

しかし、それにしては被害が少ないなと感じました。

畑全体に目をやると、杭の外からちょっと首を伸ばせば届く位置にある大根だけが、葉を食い荒らされている様に見えました。

木製の杭なので、猪が本気を出したら突進してへし折るのは簡単でしょう。
が、そういった形で突破された形跡は有りません。

杭を打ち直した後も畑の中心部に有る大根が食われていたので、飛び越えるなりして侵入する奴が居るのは確かです。

ただ、杭の存在で侵入を躊躇う奴も一定数居る事は、葉の食害の様子から推察できます。

ともあれ、現状は去年ほど酷くないので、合格点を挙げたい所です。

が、島外の人達にも天空大根の評判はすこぶる良く、畑を拡大したい気もします。

そうなると、獣害でロストするのは勿体無く思えて来ます。

でもでも、フェンスを設けたり(サツマイモ畑の様に)有刺鉄線を張ったりするには、資材を高台まで運ばなきゃいけません。

それを想像するだけで…正直ゾッとしますね(苦笑)

第160話.ミシマサイコ~種選別編~

脱穀を終えた種は選別します。
「プレイバック2020」の回でもザッと説明しましたが、改めてその手順について話したいと思います。

先ずは「ふるい」や「ざる」を使って、大きなゴミを取り除きます。

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とは言え、種だけが通過する手頃な編み目の物というのはなかなか無く、アレを使ってみようか?コレを使ってみようか?と試行錯誤しました。

が、種より大きくても細長い葉くず等は、縦になって編み目を巧みにすり抜けて行ってしまいます( ´~`)

続いては、唐箕(とうみ)による風選別です。f:id:goumonkobura:20220206150445j:image
本来は米の選別に使われていた器具だと思いますが、ウチの隣の空き家の屋根裏部屋に眠っている所を発見し、これ幸いと拝借しました(  ̄▽ ̄)

使い方は先ず、上部の逆三角の所から選別したい物を投入します。
それと同時に、右側に有るハンドルで風車を回して、風を起こします。

その風で、軽い物(十中八九、ゴミ)は本体左端から外に吹き飛ばされます。

もみ殻や、軽いけど風で飛ばない程度の重みが有る物は、下部に付いている2つのスロープの内、左側から出て来ます。

そして、(とても小さいですが)ゴミと比べたら重たい種は、飛ばされずに右側のスロープからコロコロと転がって出て来ます。

よく考えたもんだなぁと、先人の知恵には感心しました。

唐箕を使っている間はハンドルを回し続けなければならないのが、欠点と言えば欠点でしょうか(^^;

しかしまあ、足漕ぎ式の脱穀機に続いて、令和の時代にこんなレトロな農機具を使おうとは夢にも思いませんでした(笑)

次に待っているのは水選別です。
なお、作業に一生懸命でこの工程の写真は有りません(苦笑)

準備としては、水槽などにタップリと水を張るだけです。
僕の場合は、手元に有ったプラスチックの収納ケースを使いました。

その中に種を投入して、暫く放置します。
そして、水の底に沈んだ重い物を種と認定します。

一方、水面に浮かんだ軽い物はゴミ、もしくは少し軽い種と判断して、「再審査」に掛けます。

「再審査」とは、同様の水選別をもう一度行う事を意味します。
ここで沈めば、種として「復活当選」を果たす訳です。

理屈は単純ですが、水に漂うゴミを綺麗に取り切るのは難しく、選別した後もかなりの量のゴミが混ざった状態でした( ´~`)

しかし、事態は一刻を争う為、直ぐに種の乾燥作業に入りました。

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充分に水気が抜けた状態でなければ納品出来ないので、最低でも1週間~10日の乾燥期間が必要です。

前回、ギリギリのタイミングだと言ったのは、これが理由です。

納品日まで粘りに粘って乾燥させた上で、もう一度ふるいに掛けたり唐箕に掛けたりと、出来得る限りの事してようやく終了。

何とか納期に間に合わす事が出来ました(^^;

…と、思ったのも束の間。

後日、種の水分含有量が規定値を上回っていたとの知らせが!!(゜ロ゜ノ)ノ

再乾燥の手数料として、キロ当たり300円差し引かれる事になりました(~_~;)

そして、再乾燥後の種は軽くなり、最終的な重量は17.3kgに。
必然的に、トータルの買い取り価格も目減りしました( ´~`)

でも、「駆け込み納品」せざるを得ない状況になったのは自分の責任なので、これも仕方ありません…(^^;

唐箕を使った点を除けば、昨年と同じ選別作業を行なった訳ですが、前回の収穫量は僅か200g。

今回は17kgだった為、全く次元が違いました(*_*)

結果はどうあれ、一つの山は越えました。
しかし、本当の勝負(地獄?)はこれからです(苦笑)

その話はまたの機会に…。