せとうち志々島移住日記

東京生まれ・東京育ちの元プログラマー。父母ヶ浜で有名な香川県三豊市に属する離島・志々島(ししじま)に移住した新米島人です。 その日常を綴って行きます。

第46話.幼稚園遠足とサユリちゃん

先週、志々島の対岸に在る詫間幼稚園から、園児達が毎年恒例の遠足にやって来ました。

昨年は天候不良で延期の繰り返しでしたが、今回は予定通りの開催です(^_^)v

僕のお役目は二つ。

一つは、大楠の前で紙芝居を読む事。
島には大楠にまつわる昔話が有り、それを紙芝居にして園児達に聞かせるのがお決まりになっています。

ストーリーを一言で表すならば、「大楠を大事にしないと祟りが起こるぞ!」です(笑)

それを今回、ベテラン島民に代わって僕が読む事になりました。
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ただ、元の話そのままだと教訓めいた物が無いので、その辺りの事を本番前に付け足して工夫したつもりです。

そしてもう一つのお役目は、園児達の引率。

幼稚園の先生や一部の父兄さんも一緒でしたが、40人を4班に分けて大楠や楠の倉展望台を目指すので、島民も引率のお手伝いをするのでした。

ちなみに島民も、園児達と同じ名札とスタンプラリー証を付けさせられました(苦笑)
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僕の担当は黄色班。
先生を先頭にほぼ一列で歩く訳ですが、大楠までの道程は石段になっているものの段差が大きい所も有り、園児の足ではかなり時間が掛かるのでは?と思っていました。
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が、予想に反して園児の歩くペースは早く、年配の方では付いていくのがやっとな位でした(笑)

そんな中、一人だけ大きく遅れを取る女の子が居ました。

その子の名前はサユリちゃん。

運動が少し苦手なのかな?と思いましたが、とにかく班からはぐれてはいけないので、僕はサユリちゃんと一緒に最後尾を歩きました。

しっかり足を上げて登らないと体重が後ろに掛かってしまうので、「よいしょ、よいしょ!」と彼女を鼓舞しながら坂を登り切りました。

続いて急な下り坂。
今度はカニ歩きで歩く様に促しました。
が、大楠まであと一歩の所でよろけて、石段の脇の草むらにサユリちゃんは落ちてしまいました(*_*)

ケガする程の落差は無いものの、草の丈が高いのでサユリちゃんは直ぐに立ち上がる事が出来ず。

僕が助け起こして、何とか無事大楠に到着しました。

前述の通り、そこで紙芝居を読んだり集合写真を撮ったりした後、しばしの自由時間。

大楠と関係無く、サユリちゃんは石の上で片足バランスで遊び出したので、何秒立ってられるか競争したりして過ごしました。

ここまで見て来て分かったのは、サユリちゃんがマイペース且つ好奇心旺盛である事。

先生が集合を呼び掛けても直ぐには応じず、自分の関心事に無我夢中といった具合です(^^;)

「この様子だと目を離した隙に何処へ行くかも分からんな…」と考え、そこから彼女をマンマークする事に決めました(笑)

楠の倉展望台へ向かう道でも、やっぱり殿(しんがり)はサユリちゃん。

そうこうしている内に僕になついたのか、自然とサユリちゃんは僕の手を握る様になり、楠の倉展望台から帰りの道中は、ずっと手を繋ぎっ放しでした。

さて、遠足最後のチェックポイントはヤギとの触れ合い。
折しも二日前に、男女のヤギが生まれたばかりでした。

ずっと一緒だったサユリちゃんでしたが、ヤギの待つポイントに近づくと、僕を残してヤギまっしぐら。
最後の最後まで餌やりを続けていました。
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それまでも自分の関心事にトコトン素直だった彼女らしいと言えば彼女らしいですが、その姿に一抹の寂しさを覚えました。

こ、これが…父性ってヤツか!?

サユリちゃんと一日過ごした事で、有るはずが無いと思っていた僕の父性が呼び起こされたのかしれません(笑)

そんなこんなで遠足は終了。
園児達は、嵐の様にやって来て嵐の様に去って行きました。

ご近所とは言え、毎年志々島を遠足の場所に選んで貰い、本当に有難い限りです。

来年もまた、カワイイ園児とカワイイ先生が来てくれる事を期待します(笑)