せとうち志々島移住日記

東京生まれ・東京育ちの元プログラマー。父母ヶ浜で有名な香川県三豊市に属する離島・志々島(ししじま)に移住した新米島人です。 その日常を綴って行きます。

第215話. 6年目を振り返る

志々島に移住して丸6年が過ぎ、4月4日から7年目に突入しました。

1人の子が小学校に入学して卒業する年月に等しいと考えると、如何に中身がスカスカだったか思い知らされます(苦笑)

という訳で、毎年恒例の振り返りです。
昨年は、リモートワークに活路を見出すと言って締め括りました。

実際、勉強してスマホアプリを作ってみたりはしました。
がしかし、そこから先、どうやって自分を売り込むかが問題でした。

同じIT業界であっても、スマホアプリならスマホアプリの実務経験が求められるのが常です。
で、これに関しては仕事での経験は無く、あくまでも独学。

加えて、現場から長らく離れているし、そこそこの年寄り。
そして、完全リモートという条件付きで雇って貰おうとするならば、余程のエキスパートでないと難しいだろうと思います。

その意味で、インパクトを残せる様なアプリを作ってアピールするしかないと思ったものの、如何せんアイデアが浮かばない(>_<)

思えば、東京に居た時もそうでした。

参考書を読んで新しい技術を勉強するのは良いけれど、発展的な学習をする為に次は何を作ろうか?という所で行き詰まって挫折する。
その繰り返しでした(苦笑)

それだけならまだしも、精神的に参る様な出来事が幾つも重なり、結果として足踏み状態が続きました。

そんな時、知り合いの方から持ち掛けられたのが「農泊推進事業」の話でした。

これは、農水省が所管する補助金事業で、農村漁村地域の所得向上が目的です。

その為の手段として考えられるのが農家民宿・農家民泊であり、観光客が長期滞在する事で現地にお金を落として貰おうという算段です。

では、どうやって「足止め」するかと言うと、時間を要するアクティビティ等の「体験」を提供したり、呼び物になる料理やお土産を開発したり。
もちろん、宿泊施設自体の質を上げる事も不可欠です。

そういった様々な「仕掛け作り」に対して補助金を出しますよ、といった事業です。

平たく言えば、「観光業に力を入れてみたら?」という勧めでした。

志々島で暮らし続けるにはどうしたら良いか
と考え、リモートワークに舵を切ろうとしました。

その一方で、島と無関係な事で生計を立てるなら、正直ここに居る意味が無いのでは?という想いも常に持っていました。

だから風見鶏と言われようと、もう一度初心に立ち返り、島の資源を活用して生計を立てる事に挑もうと決めました。

かくして、アドバイザー的な方々の協力を得つつ、最初に話を頂いた時から半年近く掛けて話をまとめました。

そして補助金の申請を行ない、実は既に「内定」を貰っています。
僕を含めた関係者の中から逮捕者でも出ない限り、決定が覆る事は無いと思います(笑)

ともあれ、実際どんな事をするか?といった具体的な内容は、正式に補助金事業がスタートしてからにしようと思います。

一つハッキリ言えるのは、インバウンドにターゲットを絞るという事です。
お金は、お金を持っている人達から頂戴するしかありません( ̄∇ ̄)

事業は最低でも2年間。
あくまでも受け入れ体制を整える「準備期間」なので、そこから更に1~2年は踏ん張らないといけないだろうと思っています。

だから、直ぐに結果が出るものではないですが、これが正真正銘・最後の挑戦と思って、余所見せずに頑張ります。

 

 

第214話. 続投か、退任か?

消去法で自治会長に選ばれてから、2年の月日が流れました。
会長の任期は2年。
今月で任期満了となる為、スパっと辞めようと考えていました。

そもそもリーダータイプではないと自覚していますし、大勢(5人以上?)の前で畏まった話をするのも苦手。

最善を求めて出来る事はやったつもりですが、未熟さ故に至らない点も多々有ったと思います。

何より、大半の住民が自分よりも遥か年上のセンパイで、分不相応とはこの事です。

こういうのは、人生経験豊富なご年配の方がリタイヤ後に務める名誉職の様なものだと
つくづく思いました。

これらは「適性」の問題ですが、それとは別に
「時間」の問題が非常に大きいです。

この先ここで暮らし続ける為には、生計を立てる事を第一に考えなければなりません。
にも関わらず、お金にならない事に脇目を振ってばかり…(^^;)

そしてまだ言える段階ではないですが、もしかすると大規模なプロジェクトに関わるかもしれません。

なので、任期キッチリで辞めるのが自分にとっても皆にとっても良いだろうと思った訳です。

その一方で、会長職に就いていた方が進め易い事も有るだろうなぁ…と思ったり。

自分の中での考えが、二転三転・四転五転・六転七転…といった具合に、結論が日替わりで変わる日々を送っていました。

そして先日、年に一度の島民総会を開催しました。
当日の朝になって僕が出した結論は、次の3つです。

自治会長に立候補はしない
・東京から移住して丸5年となるご婦人を推薦する
・自分も推薦された時は、皆の判断に任せる

迎えた自治会長選。
僕も推薦されて、結局は僕とそのご婦人との決戦投票となりました。
投票と言っても、出席者はたかだか12名です(笑)

投票(挙手制)の結果、僕を除く全員からの支持を受けました。
それならばとその結果を素直に受け入れ、自治会長を続投させて貰う事に決めました。

何故イバラの道を選んでしまったのだろう?と我ながら思います。

でもこれで、余りそうだった名刺を焼却処分しなくて済みそうです(笑)
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但し、少しでも自分の負担を減らそうと、自治会長と兼務して来た「衛生委員」だけは先のご婦人に託しました。
※衛生委員とは?…町内清掃の音頭取りやゴミ集積場の管理を行なう役職

こうして仕事を減らそうと思ったのも束の間、「志々島公式サイト」の引っ越しを余儀なくされました。

これまで使っていたホームページ作成サービスが、4月から無料プランの機能を制限する(グレードダウンする)とアナウンスしたのがその理由です。

そりゃあ、タダで何でもやらせてしまっては企業も商売上がったりですから、文句は言えません。
むしろ、今まで有難うという気持ちです。

で、急遽別のサービスへの乗り換えを検討して、良さげな物を見付けたので、移行作業に取り掛かりました。

ちなみにホームページの運営は、自治会長の役目でもなければ、そもそも仕事でもありません。
謎の使命感でやってます(笑)

写真や文章をポコポコ配置して行くだけで簡単にホームページを作れるのがそうしたサービスの特徴ですが、初めて使うツールに慣れるのはなかなか骨が折れました。

新しいデザインに納まる様に文章を足したり削ったりもしたので、思った以上に時間も掛かりました。

でも結果的に、これまで無かったサイト内検索や問い合わせフォームを実装出来たので、禍(わざわい)を転じて福と為せたかな?と思います。

英語版も文章を翻訳さえすれば容易に作れるっぽいので、頑張って多言語化するかもしれません。

…と、一旦は落ち着いたものの、無料サービスを使っている限りこうしたリスクは避けられないものだという覚悟は持っていた方が良いですね(^^;)

とにもかくにも、引っ越しを終えた公式サイトをチラ見して貰えたら幸いですm(_ _)m

志々島公式サイト

 

第213話. 続・牡蠣のお仕事

今から約4年前の2020年5月。
志々島のお隣り・粟島の牡蠣養殖場でのバイトについて、前後編に分けて書きました。
※URLは前編のもの
https://goumonkobura.hatenablog.com/entry/2020/05/20/181840

そして今回、2年振りに働かせて貰う事にした訳ですが、実は昨年の12月からスタートしているので、既に3ヵ月が経過しています。

多くても週4勤務とは言え、生活のかなりのウェイトを占めているのにブログで書かなかったのは、内容の重複を避ける為というのが理由でした。

が、前述の記事を見返してみると、今やっているのとは別の作業にしか触れていない事が分かりました。

慢性的なネタ不足の状況下において、これは書かない手は無いぞ…と考えてのこのブログです(笑)

改めてですが、ここが現場の様子。
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4年前とさほど変化は無いので、画像は使い回しです(笑)

で、今はどんな作業をしているか?なんですが、一言で言えば牡蠣の「選別」です。

「選りすぐり」という言葉、皆さんご存知でしょう。
<えりすぐり>或いは<よりすぐり>と読みます。

この作業をする事は「よる」と呼ばれているので、そういう意味なんだと思います。
(実際に聞いてみた訳ではないので、あくまで推測ですw )

さて、筏で育てた牡蠣を水揚げして、垂下連という仕掛けからローラーを使って牡蠣以外の物を一気に外し、作業場まで運んで来ます。
※下の写真が垂下連。牡蠣の種が付いたホタテの貝殻をロープに捻じ込んだ物です。f:id:goumonkobura:20240218183305j:image

…と、ここまでは漁師さん達がやってくれるので、僕の仕事はそこからです。

商品になる牡蠣は残して、中身が空っぽの物・小さ過ぎて身が詰まっていない物は弾いて捨てます。
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大抵は重さで区別出来ますが、判別し難い物は金槌で叩いて音を聞きます。
しっかり身の詰まった牡蠣は、叩くと金属音がします。
一方で、死んで空っぽの牡蠣は軽い音(甲高い音?)がします。

特に2年物の牡蠣は注意が必要です。
殻も身も大きい反面、死んでいる物も非常に多く、全体の半分或いはそれ以上が「ゴミ」です。

選別して身が詰まっている(と思われる)牡蠣は、専用の丸カゴに入れて次の行程を担当する皆さんにお渡しします。
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カゴの数にも限りが有る為、ゴミは極力入れない様にしないといけません。

と言いつつ、前述の判別方法を用いても、ぺーぺーの僕がやると間違える事は少なくないと思います(^^;)

また、選別作業には別の側面も有ります。
運ばれて来た牡蠣はお互いくっ付いていたり、ホタテの貝殻から外れていなかったりする事が多いです。

基本的には金槌を使い、牡蠣と牡蠣の間に尖った部分を充てがって、テコでこれらを引き離します。

ただ、以前バイトした時の記憶で、個人的にはスクレーパー(道ばたのガム取りをするヤツ)がやり易かったので、自腹で購入して使っています(笑)

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上から?下から?横から?
何処から攻めたら殻を割らずに上手く引き離せるかの見極めが重要です。

殻付きで販売する想定の牡蠣の殻を割って中身が露出してしまうと、もはや商品になりません。

でも、時には失敗する事も有るので、その場合は心の中で「ゴメンなさい…」とつぶやきます(苦笑)

現場で求められるのは、これらの作業を高速で行なう事。
常に1人で作業するとは限りませんが、1日に2山・3山は選別するのが基本です。
時間を掛ければ簡単な事でも、瞬時に判断しなければならないのは難しいものです。

全力で取り組ませて頂いていますが、ベテラン漁師さんのスピードが基準値になるので、「遅い!」「急いで!」と発破を掛けられる日々を送っています(-ω-;)

ちなみに丸カゴに入れた牡蠣は、直ぐに次の行程に移せない場合、保存の為に海中に吊します。
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重量は20kg前後だと思いますが、それを海中から引き揚げたり・運んだりで、丸一日やっていると腰が悲鳴を上げます。

ギックリ腰を起こさない事を、ただ祈るばかりです(笑)

第212話. 真冬の夜の夢

来年、デビュー50周年を迎える岩崎宏美
「昭和の歌姫と言えば?」と誰かに問われた場合、僕が連想する内の一人である事は間違いありません。

ちなみに好きな歌は、「聖女たちのララバイ」と「思秋期」。前者はカラオケでも歌っていました。
てか、他の歌をフルコーラスで聞いた事はありません。全く世代ではないので(^^;)

一方、その妹である岩崎良美
アニメ「タッチ」の主題歌を担当した事は、(僕らの世代にとって)あまりにも有名です。
ただ僕は、エンディング曲の「青春」の方が好きだったりします。

そんな岩崎姉妹が新年早々、志々島の対岸の町でコンサートを開催すると知ったのは昨年末の事。
会場は以前、漫才コンビ「ナイツ」の単独ライブを観た時と同じ、マリンウェーブという公共施設です。
港から目と鼻の先で、志々島からのアクセスは抜群。

しかもチケット代金は、宝くじの助成事業という事もあり、破格の2千円です!

事前にアナウンスされたセットリストでは、
2人がそれぞれ2曲ずつ。最低でも計4曲は歌うという事までしか分かりませんでした。

加えて、開演は夕方だった為、夜の航海を避けるならば町で宿を取る必要も有ました。

しかし、たとえそうであっても充分元は取れると確信した僕は、コンサート行きを決意しました。

ナイツの時も言いましたが、わざわざ香川の西の端まで来てくれる事に対する感謝の気持ちと、2人の生歌を聞く最初で最後のチャンスを逃す手は無いという気持ちです。

チケットは会場窓口での直接販売だけで、発売当日は朝から列が出来て、770の席はあっという間に完売したそうです。
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当の僕は、知り合いの知り合いにお願いして並んで頂き、ちゃっかりチケットをGETしました( ̄∇ ̄)

そして、コンサート当日。
岩崎姉妹による昭和歌謡のデュエットを皮切りに、それぞれがシャンソンを歌ったり、地元の合唱団(ママさんコーラス的な構成)と共演したりなど、盛り沢山な内容。

岩崎良美は予告通り、代表曲の「タッチ」と僕の好きな「青春」を披露。
そして岩崎宏美は、事前のアナウンスには無かった「思秋期」も歌ってくれました。

今もコンサートで歌い続けているだけあって、どちらもまだまだ衰えを感じさせない歌声でした。

全部で20曲近く。
普通の金額のコンサートと遜色無いボリュームで、大満足です(^_^)v

岩崎宏美がMCの中でも言及していましたが、コンサート前日に八代亜紀の訃報が届きました。
その想いが溢れ出たせいか、「聖女たちのララバイ」の終盤では感極まって涙声になってしまった様に聞こえました。

その意味では本来のパーフェクトな形ではありませんでした。
が、悲しみを背負いながら歌手としての使命を全うしようとする覚悟を見た気がします。

自分の選択と八代亜紀の訃報とが相まって、会いたい人には会える時に会っておくべきだし、やりたい事はやれる時にやっておくべきだなと改めて思いました。

エンディングは撮影OKとの事だったので、電源OFFにしていたスマホを慌てて起動させたものの、まともな写真を撮れずに終了です(苦笑)
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今回は島内の話ではなく、年始めから脱線してしまいスイマセン。

ただ、志々島のみならず近隣の町にも大きな娯楽は無いので、たまの命の洗濯と思ってご容赦下さいm(_ _)m

第211話. 変わる大楠

話は今年の春先まで遡ります。

昨年末に大楠の大規模な調査を行なった事は、以前ブログにも書きました。
https://goumonkobura.hatenablog.com/entry/2022/12/23/181935

その際、樹木医さんから次の様なアドバイスを頂きました。

大楠周辺を踏み固めるのは根っこの生育上、あまり好ましくない。

それ以上に、枯れた枝や自重に堪えかねた枝が折れて、人が下敷きになる様な事故を未然に防ぐ為、枝の下に人を入れない方が良い。

…といった内容です。

これを受けて、3月の島民総会で話し合い、枝の下を避ける迂回ルートを作る事が決定しました。

ただ、僕も引っ越し等で時間に余裕が無く、作業に着手出来たのは6月になってからでした。

新ルートは、大楠の有る所から一段下ったエリアを通るものです。
ちなみに、明治時代に起きた土砂崩れで流されてしまいましたが、元々は民家が在った所です。

そこへ下りる為の道を新たに開拓する必要が有りましたが、周辺には竹や笹が生い茂っており、地面の様子も全く分かりませんでした(>_<)
f:id:goumonkobura:20231221112822j:image何処に道を通すのがベストか?(手間が掛からないか?)を知る上で、先ずは見通しを良くする事から始めました。

基本は、僕も含めた3~4人での作業。
竹用の草刈り機でザッと刈りし、細かい所はノコギリを使ってという具合です。

かなり時間が掛かるだろうと思っていましたが、予想に反して初回の作業が捗り、ルートの目星を付ける事が出来ました。

続いて、なるべく傾斜が緩やかな場所を選んで、階段を作りました。

重機など使えるはずもなく、ツルハシで地道に土を削って段々にするのみです。

如何せん、雨に濡れると土が軟弱になるので、この先も暫く様子見は必要になると思います。
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f:id:goumonkobura:20231221112931j:image杭やロープは、遊歩道沿いに使われていた物を転用させて貰いました(猪避けのフェンスを設置して不要になった為)。

作業は順調に進みましたが、刈った草木を片付けるのはなかなか骨が折れました(^^;)

幸い、半年に一度のボランティア草刈りがタイミング良く行われたので、その参加者の方々にも大いに助けて頂きました。

f:id:goumonkobura:20231221113758j:imageただ、長らくジャングルだった所なので、時間が経つと直ぐに草木が伸びて来てしまい、月に一度は草刈りを余儀なくされました。

また、前述の通り民家の跡地である為、無数の屋根瓦が土に埋もれていました。

その上を通るのは歩き心地が悪いし、躓いたりしても危ないので、可能な限りほじくり返しました。

そんなこんなで迂回ルートは完成。
ロープを張って、今まで通れたエリアは立ち入り禁止にしています。
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ただし、そのままでは大楠の根元にある祠や鳥居までの距離が遠く、お参りが難しくなるので、それらの移設も同時に行なう予定でした。

が、様々な事情により作業は滞っています。
僕の不手際もその原因の一つですが、段階を踏んで進める必要が有り、最初の一手が決まらないと次に進めない、といった所でしょうか。
f:id:goumonkobura:20231221113953j:imageそれはさておき、これまでの大楠の様子を知る人達の中には、この方針を快く思わない方も間違いなく居ます。

大楠のそばまで行きたい、触りたい。
そうした要望が有るのは百も承知です。
僕もこれで皆が喜んでくれるとは、少しも思っていません。

嬉しい・楽しいよりも、安心・安全を優先させた結果です。
説明すれば理解を示して下さるお客さんが居る、というのもまた事実です。

大楠の保護と活用(楽しみ方)の問題は、僕が移住する以前からずっと議論されて来た事なので、誰もが納得する形を見出すのは容易ではないのも分かっています。

大楠も生き物なので、人間が幾ら足掻いても命尽きる時はやがて訪れます。
ただ、人の誤った判断でその寿命を縮めるべきではない。

僕も島では若手に分類されるものの、世間一般においては立派な中年(中高年?)。
大楠の最期を看取るなんて、出来っこありません。

そんな僕らに出来るのは、自分達の代で大楠を終わらせない努力をする事。
そして、後の世代に大楠を託す事ではないでしょうか。

…と、思ったり思わなかったり( ̄∇ ̄)

安全が確保されれば、立ち入り禁止エリアを縮小して行けば良いとも思っています。

未確定ですが、枯れ枝の剪定などに県の協力を得られるかもしれないので、その実現を今は祈るばかりです。

第210話. 近くて遠きは瀬戸の島

高見島は、志々島の北に位置する周囲6.6kmの大きな島です。
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文化的にも歴史的にも志々島とよく似ていて、両墓制の名残り(埋め墓)が見られる事。
戦後は除虫菊の栽培が盛んだった事。
郷土料理として茶粥が有名な事。

そして、映画「男はつらいよ」(寅さん)のロケ地として、志々島と【共演】しています。
(志々島・高見島の両方で撮影し、琴島という架空の島として描かれました)f:id:goumonkobura:20231115175839j:image
そんな高見島は志々の目と鼻の先に在るのに、実はこれまで一度も行った事が有りませんでした。
ちなみに、定期船は多度津町という所から出ていて、志々島に来る定期船とは別航路です。

漁船ならいつでも貸して貰えますが、遊び目的で借りる事には抵抗が有り、二の足を踏んでいました(^^;)

がしかし、この二ヶ月ぐらい余りにも忙しく、精神的に参ってしまいました(且つ、それがお金には直接結び付かないw)。

流石の僕も息抜きが必要と思い、昨年移住して来た60代の男性(以下、Wさん)が船を所有しているので、高見島に連れて行って貰えないかと相談しました。

Wさんは快くOKしてくれました。
もう一人、今年移住して来たこれまた60代の男性と共に、高見島ツアーへ行く事が決定しました。

事前にリサーチした結果、高さ約300mの竜王山に登って、高台から周囲の島々を眺める事を目標に定めました。
もちろん、寅さんの聖地巡礼?も忘れていません。

迎えた当日。
涼しい午前中の内に行って帰って来るのがベストだと考え、8:30出発としました。
船長はもちろん、船主のWさんです。

いざ、出航!!

…と思いきや、船のスクリューで錨綱(船を係留する為のロープ)を巻いてしまい、立ち往生(*_*)
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干潮時に船を出す際、ビギナーが犯す「あるある」な失敗です。
何度も船を出しているWさんは流石に分かっているだろうと、僕も油断していました…。

これで万事休すか!?と思いましたが、上げ下げ出来る推進機だった為、水上にスクリューを揚げたら絡んだロープを解く事が出来ました(^^;)

いや~、先行き不安ですね(苦笑)

気を取り直して、今度こそ出航。
志々島の東側を通って北側にぐるっと回り込んでから北上しなければならないとずっと思っていましたが、実際はその必要も無く、高見島の港までは意外と短時間で着きました。f:id:goumonkobura:20231115180100j:image
志々島も一緒ですが、他所からの船は港の何処にでも停めて良い訳ではなく、更には事前の許可(申請)が必要だったりもします。

役場に問い合わせた限りでは、2~3時間の短い滞在なら許可も不要との事でしたが、
最終的には港の待合所の係員(ご婦人)に直接ご指導頂き、無事に上陸を果たしました。

聞けば、高見島の島民も既に20人になってしまったそうです。
志々島とほぼ一緒ですね。

定期船はフェリーで、車や重機も乗り降り可能。
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海岸に沿って車も通れる立派な道路が伸び、船を陸揚げする為のクレーンまで在る。

同じ過疎の島なのに、インフラに恵まれているなぁと妬ましく思いました(笑)

さて、竜王山の登山口も大聖寺(だいしょうじ)という有名なお寺も、東側の浦集落に在るとの事だったので、迷わず東に向かいました。

集落が高台に在るとは聞いていましたが、早い段階から上り坂がスタート。

念の為、志々島から人数分の杖を持って行ったものの、しっかり用意されていました(笑)
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道中、郵便局や学校が在りましたが、やはり軒並み「閉店状態」でした。

そうこうしている内に、石垣で築かれた集落に到着。
ここまでも結構な距離で、さぞや生活も大変だったろうと想像出来ました。
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寅さんの撮影スポットが何処なのか分かる様、案内板がそこかしこに。
集落は似た様な道ばかりなので、逆にそれが無ければ判別も難しいのではないかと思います。
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そして最初の目的地・見晴らしスポットの大聖寺に到着。
ここでさえ、なかなかの高さだというのが分かります。

雰囲気だけでの判断ですが、ここも現在は閉店状態(廃寺)じゃないかと思います。f:id:goumonkobura:20231115172721j:image

続いては本日のメイン、竜王山に向かいます。

が、しかし。
矢印で登山口の方向は示されているものの、肝心の道が見付からない(*_*)

「ここかな?いや、でも違ったら迷子だしな…」と、進入を躊躇われる場所は幾つか在りました。

でも、確証が持てない以上、進むのは危険です。
自分達以外、周囲には歩いている人は居ないので、聞く事も出来ません。

これは案内板に書かれていましたが、こまめに草刈りをしている訳ではない為、登山道が分からない可能性も有るのでご注意を、てな感じでした(^^;)

しつこく粘って辺りをウロウロしてみても、やっぱり入り口は分からず終い。

こうして我々は、竜王山への挑戦を断念しました(苦笑)

…と、このままでは終われないので、高見島の埋め墓を見ようと、来た道を引き返して海岸沿いを西に歩きました。

すると、普通のお墓で取り囲まれる様に、可愛らしい墓石が並んでいました。
恐らくそれらが埋め墓です。
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一方で志々島の埋め墓は、雨風を避ける為に小屋で囲った独特の物ですが、他所の物は初めて見ました。
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所変われば品変わる、ですね。

ただ、志々島の方は強風やらで小屋が飛ばされ、元の場所が分からなくなっている物も散見します。

そう考えると、お墓はやっぱり石の方が良いのかもな~と思わずにはいられませんでした(^^;)

さて、不測の事態でだいぶ早く高見島ツアーが終わってしまい、時刻はまだ昼前。

真っ直ぐ志々島に帰る選択肢も有りましたが、どうせならお外でお弁当が食べたいな~と思い、高見島から見て北西に位置する佐柳島行きを、またしてもWさんにおねだりした僕でした(笑)

佐柳島(さなぎじま)は周囲6.6kmで、高見島と一緒。これまた初上陸です。
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定期船の泊まる港が2ヶ所在ります。
ちゃんと地図を見ずに進んだので、最初に
目的地とは違う北部の港に行きそうになりましたが、そこはご愛嬌。

改めて、目指す南部の港に到着しました。
およそ3時間くらい、定期船の来ない時間帯に到着したので、何処に停めても大丈夫でした。
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…てか、誰かに聞こうにも人っ子一人おらず、聞き様が有りませんでした(苦笑)

高見島の人によれば、佐柳島の島民は現在30~40人だとか。

そもそもの島民が少ない事に加えて、この日は平日の月曜。
常に観光客で賑わっているイメージを勝手に抱いていたので、完全に予想を裏切られました(^^;)

その代わり、ここは「猫の島」として有名な所。
到着するなり、沢山の猫が歓迎してくれました。
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如何せん、志々島では猫に面倒を掛けられているので、それで喜ぶ僕ではありません(笑)

それでもお構いなしに、猫はやって来ます。
観光客に餌付けされているので、人が居れば餌が貰えると思って寄って来るんでしょうね。

無人の待合所でお弁当を食べてから、島内散策へ。

ここも海岸沿いに広い道が続いています。
それよりも何よりも砂浜が長くて綺麗で、海水浴には持って来いだなと思いました。
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とは言え、寺社仏閣を除けば、特筆すべき観光スポットは無し(※個人の感想です)。

学校跡を利用したホステル兼カフェが在るとの情報は掴んでいたので、そこだけチラッと覗いて帰ろうかと思ってかなり歩きましたが、その日は定休日(*_*)

お客さんを見込めない平日ですから、無理もないです(^^;)
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佐柳島にも埋め墓は在りますが、もう埋め墓は「お腹いっぱい」と言うか、そこまでの距離も遠かったのでパスしました(笑)

加えてこの日は夏の様に暑く、散策を続ける事に限界を感じたので、島を後にしました。

最後は、志々島のお隣り・粟島の沖合いに船を停め、船長Wさんの釣れない釣りで締め括り(笑)
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念願だった2つの島を巡る事が出来て、命の洗濯になりました(^_^)v

第209話. 志々島お助け旅

最初にこの話を頂いたのは、今年の2月でした。

それは瀬戸内海の離島振興の一環で、旅をすると同時に島民の「お困り事」を手助けするというツアーについてでした。
香川県知事が旗振り役で、要するに県主導の企画です。
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ターゲットも県外の人ではなく県民。
出発地は高松なので、宣伝も県内に向けてしかしていません。

その旅先となる複数の島々の一つに、志々島も選ばれた訳です。

お困り事の例として挙げられるのが、草刈りだったり海岸のゴミ拾いだったりでした。

ただそれではあまりにもベタで、何処も同じ事をやっているから面白くない。

このブログの読者の皆さんは、島の展望台で除虫菊畑をやっている事はご存知かと思います。

まだもう少し畑を拡大出来る余地が有ったので、除虫菊の苗の定植を一緒にやって貰うというのなら考えられるかな?と、僕から話しました。

結果、県のご担当がその案に全乗っかり(笑)かくしてプロジェクトはスタートしました。

真夏に畑仕事は避けたいし、且つ除虫菊の定植には秋冬が適していたので、開催日は10/21と決まりました。

苗の用意はこれまで同様、県立の笠田高校に依頼。

メドを付ける為に、畑も早めに準備しました。
f:id:goumonkobura:20231025162450j:image畝を2本追加し、後は既存の畝を延長するだけで済んだので、そこまで時間は掛かりませんでした。

ただし、石がゴロゴロ出て来たり、水瓶代わりに使われていたドラム缶の底が埋もれていたりで、耕運機には不向きな状態だった為、ツルハシで地道に耕しました(^^;)

開催に向けて内容を詰めたり、役割分担を決めたりと、その後もやり取りは続きました。
断続的とは言え、スタートから8ヵ月が経過していたので、とても長~く感じました(苦笑)

そして迎えた当日。
先ずは島の公共施設に立ち寄り、そこで高校生からお客さんに除虫菊の説明をして貰いました。
f:id:goumonkobura:20231025162523j:imageちなみに僕は、現地ガイドを務めました。
ガイド役は何度もやっていますが、思い入れが強過ぎたせいか、いつもより緊張した気がします(^^;)

参加されたお客さんは20名。全体的に年齢層が高めでした。
なるべく傾斜の緩やかルートを辿ろうと、オフシーズンの「天空の花畑」を経由して展望台に向かいました。

あくまでも比較的緩やかというだけなので、登り坂には皆さんとても苦労されていました。
が、脱落する事無く最後まで付いて来て下さいました。

そして目的地である展望台に到着。
高校生達が先回りして除虫菊の苗を並べておいてくれたので、後はそれを植え付けていくのみ。

既存の畑で枯れて駄目になった物との交換分も含めて、約80本の苗を新たに植えて貰いました。
f:id:goumonkobura:20231025162559j:imageそれ自体はあっという間に終わったので、周辺の雑草取りもして貰いました。

写真からも分かる通り、ツアーのお客さんが島に居る間は太陽が雲に隠れて曇りがちでした。
でも、とにかく雨には降られなかったので一安心です。
(お帰りの頃には太陽が出て来ました(^^;))


f:id:goumonkobura:20231025162648j:image大楠見物をしてから下山して終了。
お客さんは次の目的地・粟島に向けて旅立ったとさ。

役目を終えて、非常に感慨深いものがありました。
ご褒美に賄いのカレーを3杯頂き、お腹も満たされました( ̄∇ ̄)
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