せとうち志々島移住日記

東京生まれ・東京育ちの元プログラマー。父母ヶ浜で有名な香川県三豊市に属する離島・志々島(ししじま)に移住した新米島人です。 その日常を綴って行きます。

第210話. 近くて遠きは瀬戸の島

高見島は、志々島の北に位置する周囲6.6kmの大きな島です。
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文化的にも歴史的にも志々島とよく似ていて、両墓制の名残り(埋め墓)が見られる事。
戦後は除虫菊の栽培が盛んだった事。
郷土料理として茶粥が有名な事。

そして、映画「男はつらいよ」(寅さん)のロケ地として、志々島と【共演】しています。
(志々島・高見島の両方で撮影し、琴島という架空の島として描かれました)f:id:goumonkobura:20231115175839j:image
そんな高見島は志々の目と鼻の先に在るのに、実はこれまで一度も行った事が有りませんでした。
ちなみに、定期船は多度津町という所から出ていて、志々島に来る定期船とは別航路です。

漁船ならいつでも貸して貰えますが、遊び目的で借りる事には抵抗が有り、二の足を踏んでいました(^^;)

がしかし、この二ヶ月ぐらい余りにも忙しく、精神的に参ってしまいました(且つ、それがお金には直接結び付かないw)。

流石の僕も息抜きが必要と思い、昨年移住して来た60代の男性(以下、Wさん)が船を所有しているので、高見島に連れて行って貰えないかと相談しました。

Wさんは快くOKしてくれました。
もう一人、今年移住して来たこれまた60代の男性と共に、高見島ツアーへ行く事が決定しました。

事前にリサーチした結果、高さ約300mの竜王山に登って、高台から周囲の島々を眺める事を目標に定めました。
もちろん、寅さんの聖地巡礼?も忘れていません。

迎えた当日。
涼しい午前中の内に行って帰って来るのがベストだと考え、8:30出発としました。
船長はもちろん、船主のWさんです。

いざ、出航!!

…と思いきや、船のスクリューで錨綱(船を係留する為のロープ)を巻いてしまい、立ち往生(*_*)
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干潮時に船を出す際、ビギナーが犯す「あるある」な失敗です。
何度も船を出しているWさんは流石に分かっているだろうと、僕も油断していました…。

これで万事休すか!?と思いましたが、上げ下げ出来る推進機だった為、水上にスクリューを揚げたら絡んだロープを解く事が出来ました(^^;)

いや~、先行き不安ですね(苦笑)

気を取り直して、今度こそ出航。
志々島の東側を通って北側にぐるっと回り込んでから北上しなければならないとずっと思っていましたが、実際はその必要も無く、高見島の港までは意外と短時間で着きました。f:id:goumonkobura:20231115180100j:image
志々島も一緒ですが、他所からの船は港の何処にでも停めて良い訳ではなく、更には事前の許可(申請)が必要だったりもします。

役場に問い合わせた限りでは、2~3時間の短い滞在なら許可も不要との事でしたが、
最終的には港の待合所の係員(ご婦人)に直接ご指導頂き、無事に上陸を果たしました。

聞けば、高見島の島民も既に20人になってしまったそうです。
志々島とほぼ一緒ですね。

定期船はフェリーで、車や重機も乗り降り可能。
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海岸に沿って車も通れる立派な道路が伸び、船を陸揚げする為のクレーンまで在る。

同じ過疎の島なのに、インフラに恵まれているなぁと妬ましく思いました(笑)

さて、竜王山の登山口も大聖寺(だいしょうじ)という有名なお寺も、東側の浦集落に在るとの事だったので、迷わず東に向かいました。

集落が高台に在るとは聞いていましたが、早い段階から上り坂がスタート。

念の為、志々島から人数分の杖を持って行ったものの、しっかり用意されていました(笑)
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道中、郵便局や学校が在りましたが、やはり軒並み「閉店状態」でした。

そうこうしている内に、石垣で築かれた集落に到着。
ここまでも結構な距離で、さぞや生活も大変だったろうと想像出来ました。
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寅さんの撮影スポットが何処なのか分かる様、案内板がそこかしこに。
集落は似た様な道ばかりなので、逆にそれが無ければ判別も難しいのではないかと思います。
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そして最初の目的地・見晴らしスポットの大聖寺に到着。
ここでさえ、なかなかの高さだというのが分かります。

雰囲気だけでの判断ですが、ここも現在は閉店状態(廃寺)じゃないかと思います。f:id:goumonkobura:20231115172721j:image

続いては本日のメイン、竜王山に向かいます。

が、しかし。
矢印で登山口の方向は示されているものの、肝心の道が見付からない(*_*)

「ここかな?いや、でも違ったら迷子だしな…」と、進入を躊躇われる場所は幾つか在りました。

でも、確証が持てない以上、進むのは危険です。
自分達以外、周囲には歩いている人は居ないので、聞く事も出来ません。

これは案内板に書かれていましたが、こまめに草刈りをしている訳ではない為、登山道が分からない可能性も有るのでご注意を、てな感じでした(^^;)

しつこく粘って辺りをウロウロしてみても、やっぱり入り口は分からず終い。

こうして我々は、竜王山への挑戦を断念しました(苦笑)

…と、このままでは終われないので、高見島の埋め墓を見ようと、来た道を引き返して海岸沿いを西に歩きました。

すると、普通のお墓で取り囲まれる様に、可愛らしい墓石が並んでいました。
恐らくそれらが埋め墓です。
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一方で志々島の埋め墓は、雨風を避ける為に小屋で囲った独特の物ですが、他所の物は初めて見ました。
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所変われば品変わる、ですね。

ただ、志々島の方は強風やらで小屋が飛ばされ、元の場所が分からなくなっている物も散見します。

そう考えると、お墓はやっぱり石の方が良いのかもな~と思わずにはいられませんでした(^^;)

さて、不測の事態でだいぶ早く高見島ツアーが終わってしまい、時刻はまだ昼前。

真っ直ぐ志々島に帰る選択肢も有りましたが、どうせならお外でお弁当が食べたいな~と思い、高見島から見て北西に位置する佐柳島行きを、またしてもWさんにおねだりした僕でした(笑)

佐柳島(さなぎじま)は周囲6.6kmで、高見島と一緒。これまた初上陸です。
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定期船の泊まる港が2ヶ所在ります。
ちゃんと地図を見ずに進んだので、最初に
目的地とは違う北部の港に行きそうになりましたが、そこはご愛嬌。

改めて、目指す南部の港に到着しました。
およそ3時間くらい、定期船の来ない時間帯に到着したので、何処に停めても大丈夫でした。
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…てか、誰かに聞こうにも人っ子一人おらず、聞き様が有りませんでした(苦笑)

高見島の人によれば、佐柳島の島民は現在30~40人だとか。

そもそもの島民が少ない事に加えて、この日は平日の月曜。
常に観光客で賑わっているイメージを勝手に抱いていたので、完全に予想を裏切られました(^^;)

その代わり、ここは「猫の島」として有名な所。
到着するなり、沢山の猫が歓迎してくれました。
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如何せん、志々島では猫に面倒を掛けられているので、それで喜ぶ僕ではありません(笑)

それでもお構いなしに、猫はやって来ます。
観光客に餌付けされているので、人が居れば餌が貰えると思って寄って来るんでしょうね。

無人の待合所でお弁当を食べてから、島内散策へ。

ここも海岸沿いに広い道が続いています。
それよりも何よりも砂浜が長くて綺麗で、海水浴には持って来いだなと思いました。
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とは言え、寺社仏閣を除けば、特筆すべき観光スポットは無し(※個人の感想です)。

学校跡を利用したホステル兼カフェが在るとの情報は掴んでいたので、そこだけチラッと覗いて帰ろうかと思ってかなり歩きましたが、その日は定休日(*_*)

お客さんを見込めない平日ですから、無理もないです(^^;)
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佐柳島にも埋め墓は在りますが、もう埋め墓は「お腹いっぱい」と言うか、そこまでの距離も遠かったのでパスしました(笑)

加えてこの日は夏の様に暑く、散策を続ける事に限界を感じたので、島を後にしました。

最後は、志々島のお隣り・粟島の沖合いに船を停め、船長Wさんの釣れない釣りで締め括り(笑)
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念願だった2つの島を巡る事が出来て、命の洗濯になりました(^_^)v