今週の日曜、大楠の「樹木診断」が行われました。
そもそもは、僕が大楠の根っこの状態を調べたいと言い出したのが始まりでした。
大昔の土砂崩れで、大楠の幹は数m埋もれています。
それが原因で、島民の間では大楠の保護についての見解が分かれています。
本来の根っこは土砂で埋もれているから、地表部に出た根っこを多少踏んでも大丈夫だと言う人。
地表部の根っこであろうと踏むべきではないと言う人。
もちろん、意見はその2つだけではありませんが、埋もれた根っこの生死(?)だけでもハッキリさせたいなと思った訳です。
で、志々島とご縁の有る樹木医さんにその事を相談してみました。
しかし、僕の思惑は外れました。
レーザーやらX線やらを使っても、根の全体像や生き死にまでは分からないだろうとの事(>_<)
その代わり、大規模な樹木診断は10年前にやったきりなので、この機会にどうでしょう?という話になりました。
迎えた当日。
前日は雨で、当日も明け方まで雨や雪が降るとの予報でしたが、上手い具合に止んでくれました。
とは言え、その日は極寒((((゜д゜;))))
で、やっぱりトイレが近くなって弱りました(苦笑)
調査のメンバーは樹木医さんや県の職員さんらで、10人を超える大所帯でした。調査方法は大きく3つに分けられます。
1つ目は樹体調査。
大楠の形状・寸法を計測します。
高所の幹(枝)も太く、メジャーを回すのに四苦八苦されていました(笑)2つ目は土壌貫入試験。
貫入計という器具を使い、遊歩道の地表面の固さを数ヵ所調べていました。
地面が固いと雨水が浸透しない。
水が根っこまで届かなければ枯れてしまう。
それ故、地表の固さを知る必要が有る訳です。
金属製の杭(?)を地面に立て、上から重りをストンと落とし、地面が軟らかければ杭が入り込んで行く。
これを繰り返して、杭が何cm(何mm)入り込むかで固さを調べるのですが、1つの観測点につき何十回(下手すれば百回以上)もやっていて、骨の折れる作業だなと思いました。
3つ目はツリークライミング。
読んで字の如く、木登りです。高所からの目視や打音調査によって、腐朽や空洞化の有無を確認します。
ドローンで「てっぺん」の撮影もしていましたが、葉っぱに覆われて奥まで見透せない為、その確認出来ない部分を木登りでカバーする訳です。
担当したのは東京からの移住者で、現在は小豆島に住む樹木医さん。
ただ、ロープを掛けるのには相当苦労していました。
先ず、重りの付いた細い紐を投げて大枝(幹)に巻き付けます。
その紐を利用して、本チャンのロープを枝に回してようやく準備完了です。
が、大楠の枝は複雑に広がっている為、狙っていない枝に紐が巻き付いたりして、準備が整うまでに何だかんだで1時間以上は掛かった気がします。
詳しくは聞いていませんが、腕の力ではなく足を使って登るそうです。
小さい頃は木登りが得意だったので、僕も大楠に登りたいなぁと羨ましく思えました(笑)
調査の結果、鳥居の真上の枝が枯れており、且つヒビが入っている事が分かりました。
枝と言っても、長さ5~6mは有る太い枝です(*_*)
流石に危険なので、取り急ぎロープを張って人が立ち入らない様にしました。
全体の調査結果は、来年2月頃に貰えるそうです。
それを踏まえて、大楠の保護の在り方について考えたいと思います。