せとうち志々島移住日記

東京生まれ・東京育ちの元プログラマー。父母ヶ浜で有名な香川県三豊市に属する離島・志々島(ししじま)に移住した新米島人です。 その日常を綴って行きます。

第213話. 続・牡蠣のお仕事

今から約4年前の2020年5月。
志々島のお隣り・粟島の牡蠣養殖場でのバイトについて、前後編に分けて書きました。
※URLは前編のもの
https://goumonkobura.hatenablog.com/entry/2020/05/20/181840

そして今回、2年振りに働かせて貰う事にした訳ですが、実は昨年の12月からスタートしているので、既に3ヵ月が経過しています。

多くても週4勤務とは言え、生活のかなりのウェイトを占めているのにブログで書かなかったのは、内容の重複を避ける為というのが理由でした。

が、前述の記事を見返してみると、今やっているのとは別の作業にしか触れていない事が分かりました。

慢性的なネタ不足の状況下において、これは書かない手は無いぞ…と考えてのこのブログです(笑)

改めてですが、ここが現場の様子。
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4年前とさほど変化は無いので、画像は使い回しです(笑)

で、今はどんな作業をしているか?なんですが、一言で言えば牡蠣の「選別」です。

「選りすぐり」という言葉、皆さんご存知でしょう。
<えりすぐり>或いは<よりすぐり>と読みます。

この作業をする事は「よる」と呼ばれているので、そういう意味なんだと思います。
(実際に聞いてみた訳ではないので、あくまで推測ですw )

さて、筏で育てた牡蠣を水揚げして、垂下連という仕掛けからローラーを使って牡蠣以外の物を一気に外し、作業場まで運んで来ます。
※下の写真が垂下連。牡蠣の種が付いたホタテの貝殻をロープに捻じ込んだ物です。f:id:goumonkobura:20240218183305j:image

…と、ここまでは漁師さん達がやってくれるので、僕の仕事はそこからです。

商品になる牡蠣は残して、中身が空っぽの物・小さ過ぎて身が詰まっていない物は弾いて捨てます。
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大抵は重さで区別出来ますが、判別し難い物は金槌で叩いて音を聞きます。
しっかり身の詰まった牡蠣は、叩くと金属音がします。
一方で、死んで空っぽの牡蠣は軽い音(甲高い音?)がします。

特に2年物の牡蠣は注意が必要です。
殻も身も大きい反面、死んでいる物も非常に多く、全体の半分或いはそれ以上が「ゴミ」です。

選別して身が詰まっている(と思われる)牡蠣は、専用の丸カゴに入れて次の行程を担当する皆さんにお渡しします。
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カゴの数にも限りが有る為、ゴミは極力入れない様にしないといけません。

と言いつつ、前述の判別方法を用いても、ぺーぺーの僕がやると間違える事は少なくないと思います(^^;)

また、選別作業には別の側面も有ります。
運ばれて来た牡蠣はお互いくっ付いていたり、ホタテの貝殻から外れていなかったりする事が多いです。

基本的には金槌を使い、牡蠣と牡蠣の間に尖った部分を充てがって、テコでこれらを引き離します。

ただ、以前バイトした時の記憶で、個人的にはスクレーパー(道ばたのガム取りをするヤツ)がやり易かったので、自腹で購入して使っています(笑)

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上から?下から?横から?
何処から攻めたら殻を割らずに上手く引き離せるかの見極めが重要です。

殻付きで販売する想定の牡蠣の殻を割って中身が露出してしまうと、もはや商品になりません。

でも、時には失敗する事も有るので、その場合は心の中で「ゴメンなさい…」とつぶやきます(苦笑)

現場で求められるのは、これらの作業を高速で行なう事。
常に1人で作業するとは限りませんが、1日に2山・3山は選別するのが基本です。
時間を掛ければ簡単な事でも、瞬時に判断しなければならないのは難しいものです。

全力で取り組ませて頂いていますが、ベテラン漁師さんのスピードが基準値になるので、「遅い!」「急いで!」と発破を掛けられる日々を送っています(-ω-;)

ちなみに丸カゴに入れた牡蠣は、直ぐに次の行程に移せない場合、保存の為に海中に吊します。
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重量は20kg前後だと思いますが、それを海中から引き揚げたり・運んだりで、丸一日やっていると腰が悲鳴を上げます。

ギックリ腰を起こさない事を、ただ祈るばかりです(笑)