せとうち志々島移住日記

東京生まれ・東京育ちの元プログラマー。父母ヶ浜で有名な香川県三豊市に属する離島・志々島(ししじま)に移住した新米島人です。 その日常を綴って行きます。

第168話.ウバユリの危機~前編~

毎年7月になると、大楠周辺に自生するウバユリが花を咲かせます。

それを目当てにやって来る人も居たり、地元・三豊市のカレンダーのページを飾ったりと、志々島の夏の風物詩になっていると言って良いかもしれません。f:id:goumonkobura:20220426121753j:image(C)三豊市観光交流局

そのウバユリが危機に瀕していました。
原因は…やっぱりイノシシです。

ウバユリの根っこ自体を狙って来る場合も有ると思いますが、それ以外の植物なのか地中の生物なのかを物色する事で、何処もかしこもボコボコに掘り返される始末です(*_*)f:id:goumonkobura:20220426121833j:image
僕の安物スマホで撮った写真では、伝わらないでしょうね(苦笑)

このままではウバユリが全滅するかもしれない。
加えて、地面に横たわった大楠の枝の下土(したつち)も削られているとの報告が有り、どういった対策を講じるべきか?の話し合いが行われました。

f:id:goumonkobura:20220426140238j:image

考え方は人それぞれで、「自然に咲くウバユリなんだから、自然の力(イノシシ)で淘汰されるならばそれに任すべきでは?」という意見も有りました。

が、大楠とウバユリの2ショットを楽しみに来てくれる方々も居る事を考えて、イノシシ避けのフェンスを設置しようと決まりました。

肝心要は大楠への被害ですが、実際に現場へ行ってみると、根っこ等に害を及ぼすレベルではない事が分かりました。

なので今回は、ウバユリの自生エリアのみをフェンスで囲む事にしました。

大楠保護の観点からすれば、大楠も引っくるめて囲った方が無難かもしれません。

対人間においても、「根っこを踏まれる心配が無くなって一石二鳥だ」と考える人は居ました。

しかし、これまた意見の分かれる所ですが、観光で訪れた人達が出来る限り近くで見れる様にしたい・触れられる様にしたいというのが僕のスタンスです。

だから、事情が許す限りは現状維持で行ける様、抵抗します(笑)

とにもかくにも、フェンスの設置作業を進める事になりました。

工法は至ってシンプル。
杭を打ち、結束線という針金の様な物でフェンスを括り付けるだけです。

先ずはお試しで、フェンスを10枚設置して感覚を掴んでみましたが、人数も居たのであっと言う間でした。

f:id:goumonkobura:20220426140317j:image

が、本番はここから。

ウバユリの自生エリアの外周は約170m程です。
フェンス1枚は2m幅なので、ざっと見積もっても85枚。
それを支える鉄の支柱は、300本以上必要でした。

これらを運ぶのは…人力です(~_~;)

つづく