毎年7月になると、大楠周辺に自生するウバユリが花を咲かせます。
それを目当てにやって来る人も居たり、地元・三豊市のカレンダーのページを飾ったりと、志々島の夏の風物詩になっていると言って良いかもしれません。(C)三豊市観光交流局
そのウバユリが危機に瀕していました。
原因は…やっぱりイノシシです。
ウバユリの根っこ自体を狙って来る場合も有ると思いますが、それ以外の植物なのか地中の生物なのかを物色する事で、何処もかしこもボコボコに掘り返される始末です(*_*)
僕の安物スマホで撮った写真では、伝わらないでしょうね(苦笑)
このままではウバユリが全滅するかもしれない。
加えて、地面に横たわった大楠の枝の下土(したつち)も削られているとの報告が有り、どういった対策を講じるべきか?の話し合いが行われました。
考え方は人それぞれで、「自然に咲くウバユリなんだから、自然の力(イノシシ)で淘汰されるならばそれに任すべきでは?」という意見も有りました。
が、大楠とウバユリの2ショットを楽しみに来てくれる方々も居る事を考えて、イノシシ避けのフェンスを設置しようと決まりました。
肝心要は大楠への被害ですが、実際に現場へ行ってみると、根っこ等に害を及ぼすレベルではない事が分かりました。
なので今回は、ウバユリの自生エリアのみをフェンスで囲む事にしました。
大楠保護の観点からすれば、大楠も引っくるめて囲った方が無難かもしれません。
対人間においても、「根っこを踏まれる心配が無くなって一石二鳥だ」と考える人は居ました。
しかし、これまた意見の分かれる所ですが、観光で訪れた人達が出来る限り近くで見れる様にしたい・触れられる様にしたいというのが僕のスタンスです。
だから、事情が許す限りは現状維持で行ける様、抵抗します(笑)
とにもかくにも、フェンスの設置作業を進める事になりました。
工法は至ってシンプル。
杭を打ち、結束線という針金の様な物でフェンスを括り付けるだけです。
先ずはお試しで、フェンスを10枚設置して感覚を掴んでみましたが、人数も居たのであっと言う間でした。
が、本番はここから。
ウバユリの自生エリアの外周は約170m程です。
フェンス1枚は2m幅なので、ざっと見積もっても85枚。
それを支える鉄の支柱は、300本以上必要でした。
これらを運ぶのは…人力です(~_~;)
つづく