せとうち志々島移住日記

東京生まれ・東京育ちの元プログラマー。父母ヶ浜で有名な香川県三豊市に属する離島・志々島(ししじま)に移住した新米島人です。 その日常を綴って行きます。

第53話.瀬戸内国際芸術祭

いよいよ今月から開幕する4回目の瀬戸芸。

もちろん志々島は…今回も参加しません!

志々島が不参加の理由を一言で言ってしまえば、「受け皿が無い」という事ですね。

宿泊施設は1つだけ、飲食店も有りません。
島民は20人足らず、島内の課題が山積みでとても瀬戸芸には人手を割けない状況です。

中でも、公衆トイレが1つしか無いのが問題です。

聞く所によると、瀬戸芸に参加したある島で仮設トイレを設置したそうですが、ボランティアの人達が汚物の処理に当たってくれる予定だったにも関わらず、結果的に島民がやる羽目になったとか。

その話を聞いたら、諸手を挙げて参加したいと思う住民は居ないでしょう(^^;)

瀬戸芸に来て、たまたま志々島の存在に気付いた人達の「ついで観光」で充分です。

で、実際の理由はともかく、僕個人としても参加には反対です。

直島が「アートの島」として成功したのは、素直に凄いと思います。

が、それに追随しても二番煎じの感は否めませんし、モノマネって何だか恥ずかしい気もします。

そして、並のアートでは大楠の迫力や存在感に敵わないでしょう。
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ただ、大楠が「手付かずの自然」かと言うと、そうではありません。

真横に伸びる枝を支える巨大な鉄柱を始め、人々の助けが有ってこそ生きていられるとも言えます。

その意味では、大楠も人間が手掛けた立派なアート作品なのかもしれません。

という訳で、365日が芸術祭の志々島に是非お越し下さい!

…上手く、まとまりましたかね?(笑)

第52話.オレンジ色の憎い奴

唐突ですが、僕は果物が大好きです。
桃やブドウも好きですが、特に甘酸っぱい物を好みます。

ちなみに、一番好きな果物はイチゴです(笑)

それはさておき、東京で独り暮らしをしていた時は果物を贅沢品と捉え、買って食べる事は滅多にしませんでした。

一方、志々島に移住してからは、島外の方から柑橘類を頂く事が多く、頻繁に果物を食べる様になりました。

お隣りの愛媛はミカンの一大産地ですし、お向いの岡山もフルーツ王国のイメージが有ると思いますが、香川も負けず劣らずで、様々な果物が作られています。

同じ瀬戸内海に面した県ですし、気候風土も似ているでしょうから、当然と言えば当然の話ですよね。

でも、うどん県をプッシュし過ぎる余り、香川に果物のイメージは全く有りませんでした(^^;)

話を元に戻しますが、一口に柑橘類と言っても種類は豊富で、温州ミカン・夏ミカン・金柑、チャンドラポメロなんていう巨大な物も頂いたりします。

金柑は「のど飴」の成分としてはお馴染みでしたが、生で食べるのはこちらに来て初めてで、皮まで食べられるとは知らなかったです。

皮は甘くて身は酸っぱく、丸ごと食べると丁度良いバランスになるという面白いヤツです。

香川のスーパーでも当然ミカン類を売っていますがそんな状況なので、「わざわざお金払ってミカン買う人なんて居るんだろうか??」と思わずにはいられません。

さて、志々島にもミカンの木が何本か有ります。
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特別誰かが世話をしている訳ではないですが、毎年勝手に実を付けます。

しかし、自由にもぎ取って食べて良い物ではありません。

殆んどのミカンには持ち主が居て、その方から直接頂くか、取る許可を貰う必要が有ります。

もし勝手に食べて見つかりでもしたら…凄~く怒られると思います(笑)

ミカンだけでなく、柿やビワ等も同様ですので、観光でいらっしゃる方はその点ご留意下さいm(_ _)m

第51話.永遠の中学生

東京に居た時は、ワンルームの小さな部屋で暮らしていたので、台所で料理や洗い物をする時でも、首を捻ればテレビが見れました。

なので、台所に長居しても退屈はしませんでした。

が、今の住まいでは居間と台所が完全に分かれている為、そうは行きません。

ipodで音楽を聴いたりもしましたが、イヤフォンが邪魔に感じて少し億劫になっていました。

ちなみに、安物のラジカセを以前持っていたものの、壊れてからは買い換えずで今日に至っています( ´~`)

それが先日、リフォームに伴って不要品を処分したいというお家が有り、オーディオセットを譲り受けたのでした。

居間ではテレビを見るのに忙しく、音楽を聴いている暇は無し。

となると、オーディオを設置する場所は自動的に決まります。

はい、台所ですね。
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最初は土間に直置きしましたが、手頃な段ボールが見付かったので底上げしました( ̄▽ ̄)

こんな立派なスピーカーでCDを聴くのは初めてです。

で、これで何を聴くかと言うと…ドラクエのサントラ(オーケストラバージョン)です。

いつまで経ってもお子ちゃまですね~(笑)

普通に歌のCDも持っていますが、ドラクエのCDを久しく聴いてなかったので、洗い物をしながら過去のシリーズを振り返っている所です。

とりあえず、水や残飯をぶっかけない様に気を付けつつ、使って行きたいと思います。

第50話.ヤギヤギパニック

猫と並ぶ志々島(ししじま)のマスコット、ヤギ。

SNSを通じてはお知らせしましたが、1月の終わりの僅か1週間の内に6頭もの子ヤギが生まれ、一気に12頭になりました。
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ヤギが急増した事で、昔使っていたヤギ小屋を修復しようとか、口減らしの為?に里子へ出そうとか色んな話が有ったりで、まだまだ落ち着かない状況です。

そこで今回は、「ヤギ」をテーマに話したいと思います。

東京の実家で飼っていたペットと言うとインコ程度で、猫や犬の様なサイズの動物には全く免疫が有りませんでした。

だから、ヤギなんて以ての外。
出来る事なら近づきたくないです(苦笑)

それでもごくごく稀ですが、ヤギ小屋から離れた所まで草を食わせに行く時など、お手伝いする事も有ります。

大きなヤギは立派な角をお持ちで、その恐ろしさは説明不要でしょう。
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少しでも隙を見せたら「グサッ!」と心臓を一突きにされますね、きっと。

それでは子供のヤギなら安心か?と問われれば、答えは否。

小さな身体からは想像が付かない程のパワーを持っています。

首輪に結んだロープを引いて移動させますが、逆方向に首を曲げたり走ったりしようものなら、完全に腕を持って行かれます。

そして、動きがとんでもなく機敏です。
予測不可能なステップを踏むので、うっかり逃したら捕まえるのは容易ではありません。

ある日、石段を下っている最中に走り出した時は、ロープを離すまいと思ってしまった為、引っ張られて石段下の防波堤に激突し、命を落とす所でした(*_*)

そんな訳で島の皆さんには、僕の分までヤギの世話を頑張って頂きたいと思います(笑)

第49話.とりあえずキンセンカ!

「とりあえずビール!」という有名なフレーズがありますが、アレは決して投げやりな言葉ではなく、「何はなくともビールを飲まなきゃ始まらん!」という意味だと僕は解釈しています。

で、畑をやるなら志々島(ししじま)の代名詞と言うべき「キンセンカ」からだなと、常々考えていました。
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キンセンカは別名「時知らず」とも呼ばれており、季節を問わず種蒔きが出来ます。

加えて、乾燥にも強いので、たまの雨に任せておけば水やりも要らないそうです。

雑草の駆除は最低限必要ですが、他の作物と比べたら「手間要らず」な花です。

さて、やっぱり花を咲かせるなら4~5月が良いなぁと思っていたので、調べた情報を元に逆算し、昨年の12月始めに畑に着手しました。

場所はセンパイ島民からお借りした、ちょっと高台に在る南向きの畑。
遮る物は無いので、日当たりは抜群です。

準備は野菜を作る時と大体一緒で、石灰と堆肥を撒いた畑を、手押しの耕運機で耕しながら畝(うね)を作ります。

小型の耕運機なので出来る畝がとても細く、本来は2つを合わせて丁度良い幅の畝になります。

が、その手間を掛けるのを嫌い、そのままの畝を使って横一列に種を蒔きました(  ̄▽ ̄)

しかし、記憶していたよりも畑が広く、買って来た種だけでは足りないんじゃないの!?と正直思いました。

それでも、耳垢みたいに小さな種を一粒ずつ指先で摘まんでは蒔くを繰り返すケチケチ戦法で、どうにか畑全体に行き渡らせる事が出来ました(^^;)

そして、種蒔きから一週間が経過した頃、キンセンカの芽が顔を出しました\(^_^)/

ただそれも数える程度で、その後の成長も遅く感じました。

それもそのはず。

この時になってようやく知ったのですが、栽培期間を完全に勘違いしていた様で、12月に種蒔きした場合、開花は8~9月になるというのが本当の所でした( ´~`)

成長が遅いのも当然と合点が行ったので、暫く放置する事にしました。

タンカーの仕事を挟んで1ヶ月後、再び畑へ。

雑草がはびこって、何処にキンセンカが生えてるのかも分からない状態になっていたので、草むしりをせざるを得ませんでした。

しかしこれが、大変。
種蒔きの時も感じましたが、9m × 6m程の小さな畑なのにも関わらず、とてつもなく広く思えました。

結局、3日間・計15時間を掛けて、ようやく一旦の草むしりを終えました。

姿を現したキンセンカは…種蒔きした内の7割にも満たない数(*_*)
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最低でも8割が花を咲かせてくれるのを祈っていたので、この時点で完全な敗北です(苦笑)

労を惜しまず幅広な畝に作り変えていれば畝の数も少なくなったし、種も数粒ずつ蒔けて発芽の確率も上がったんじゃないか?とか、色々悔やんでみても後のカーニバル。

途中で投げ出すのも格好悪いので、今あるキンセンカだけでも花咲かせたいと思います。

ちなみにこれが今のキンセンカ
写真から分かる通り、丸っこい葉っぱが特徴的です。
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成長の様子は、又の機会に報告させて頂きますm(_ _)m

第48話.破壊活動

去年、志々島(ししじま)に移住してから、延べ3軒の空き家解体に携わりました。

前の2軒は、後から思い出した様に写真を撮ったりで順を追って説明出来なかった為、今回は3軒目の空き家解体を例に、その段取りについて話したいと思います。

なお、全てがこのパターンに当てはまる訳ではないので悪しからず。

さて、今回のターゲットはこちらの家。
作業前の様子です。
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先ずは、一階・二階の床板剥がしと家具の解体からスタートです。

タンスの様な立体的な物をそのままにしておくと、家が綺麗にペチャンコにならないからです。
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続いて、屋根瓦を下ろす作業。
瓦の下には、土や竹の骨組みが隠れています。
先に床板を外した事で内部は吹き抜け的な感じになり、それらを上からジャンジャン投げ下ろす事が出来ました。
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屋根瓦が終わったら、今度は壁も取り払います。
基本的には土壁で、格子状に組まれた竹が両側から土でサンドされた状態の物です。

上と左右の端の土をバール等で叩き落とし、柱に差し込まれた竹をノコギリで切ります。
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その上で、倒したい方向にドーンと押せば、土壁を倒す事が出来ます。
イメージ通り綺麗に壁を倒せた時は、気分が良いです(笑)

ここまで出来たら、後は柱や梁(はり)をチェーンソーで切り落として行きます。
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まだチェーンソーを使った事が無い僕が語るのもおこがましいですが、自分の足場を確保するのはもちろん、密接した隣家に被害を及ぼさぬ様にやらなければやらないので、よくよく考えて作業を進める必要が有ります。

切った柱や梁を綺麗に揃えて並べたら、任務完了です!( ̄▽ ̄)ゞ
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草刈り同様、解体作業も体力を使いますし、ホコリや泥にまみれる事も少なくないです。
この家に関して言えば、3人で2週間程度掛かったでしょうかね~(うろ覚え)。

それでも、破壊の限りを尽くすというのはなかなか出来る事ではないので、ストレス発散にはもってこいです(笑)

第47話.曜日感覚

東京では月~金まで仕事、土日祝日は休みというごく一般的なサイクルで1週間を過ごしていました。

仕事をしていれば、自ずと曜日を把握出来た訳です。

志々島(ししじま)に移住して10ヵ月。
未だ無職の僕ですが、島内には有償・無償の仕事が山ほど有ります。

ただし、やるもやらぬも自分次第。
決まって働かなければならない曜日が無い代わりに、決まった休みも有りません。

観光客が多いと、「ああ、今日は祝日だったか」と気付く事も少なくないです。

頼みの綱のテレビも録画視聴専門なので、曜日感覚を取り戻す助けにはなりません(笑)

言うなれば、「晴れたら仕事・雨なら休み」といった具合です。

晴れの日に休んだら勿体無いという気持ちも有りますが、屋内作業が有れば雨でも仕事が出来てしまうので、そうなると自分で意識して休むしかないですね。

ただ、仕事・仕事と言っても半日程度で終わる事も有りますし、読者の皆さんの様な過酷な働き方はしておりません(笑)

余談ですが、定期船の汽笛が時報代わりにもなっています。

8時50分到着の船は始業時刻の目安。
8時集合の場合も有りますが、大体9時スタートが多いです。

15時50分出発の船は終業時刻の目安。
この船が出て行ったら、そろそろ仕事を切り上げようかという雰囲気になります。

少々早いと思われるかもしれませんが、肉体労働では一日5~6時間がイイ所です( ´~`)

引っ越し当初は「日が沈むまでやったるで~!」と息巻いていましたが、頑張り過ぎで腱鞘炎をこじらせてバネ指になったので、今は島の皆さんのペースに合わせる様になりました(^^;)

ちなみに現在、そんな志々島の暮らしとはかけ離れたタンカーのお仕事で、24時間絶賛監禁中です(苦笑)