せとうち志々島移住日記

東京生まれ・東京育ちの元プログラマー。父母ヶ浜で有名な香川県三豊市に属する離島・志々島(ししじま)に移住した新米島人です。 その日常を綴って行きます。

第55話.この一年を振り返る

志々島に移住してから1年。
本当にあっという間で、5年分位の経験をした気がします。

移住する前は、様々な不安を持っていました。
・体力が無いのに農業が勤まるか?
・ムカデと戦えるか?
・どうやって収入を得るか? etc…

ただ、いずれも実際に暮らしてみなければ分からない事だと思ったので、不安を抱えたまま移住に踏み切りました。

で、結果的にどうかと言えば、大体の事は騙し騙しやり過ごせるかなと思います。

ただ一つ、お金の事を除いて。

志々島には事業が無いので、収入を得るには基本、四国本島へ出稼ぎに行かねばならないのが現状です。

その為、当初は一年目で土台を作り、二年目で収入を得られる様な状態にしようと目論んでいました。

しかし実際は、考えていた事の5%も出来ませんでした(*_*)

それは、誰かが知恵を貸してくれるだろうと受け身になっていた部分が有ったからかもしれません。

加えて、一年目は収入が無くても構わないと考えていたので、ボランティア的な作業に多くの時間を割いた事も一因だと思います。

二年目も同じ事をしていては何も変わらないので、今年度は「この人でなし!」と罵られようと、生計を立てる事を第一に考えるつもりです(笑)

その一環として先月から始めた事も有りますが、まだ言える段階ではないので、別の機会にまたお話します。

ただ、島で事業が作れたとしても、それだけで生活するのに充分な稼ぎが得られるとは思っていません。

島で得られる収入が全体の20%、何なら10%でも構いません。
出稼ぎもしつつ、トータルで必要最低限の収入を得るのが当面の目標です。

さて、移住直後から始めたこのブログも一周年を迎えました。

志々島のPRになればと思って続けていますが、果たしてPRになっているのか?
何だったら逆効果、マイナス効果になっていないか?と思う事も多々有ります(笑)

また、似た様な内容は避けようと自分で勝手にルール付けしているせいで、ネタ選びに苦心しています(^^;)

でも先日、名古屋から僕のブログのファンだという変わった人(失礼!)が志々島に来て下さったりして、少しは世間に影響を与えているのかも?と思えて、とても励みになりました(^_^)

志々島での生活が続く限り、何よりもネタの続く限りはブログを書きますので、引き続き見て頂けたら幸いですm(_ _)m

第54話.春が来ぬ!?

ニューヨーク・タイムズの「2019年行くべき52カ所の旅行先」として、日本から唯一選ばれた「瀬戸内の島々」。

志々島も属する香川県三豊市紫雲出山(しうでやま)の写真が選出の決め手だった、というのが事の真相です。
f:id:goumonkobura:20190410074955j:plain
(C)三豊市観光交流局

で、その紫雲出山にも桜シーズンが到来しました!\(^o^)/

記事を見て沢山の外国人観光客が訪れる事も予想されましたが、山頂への道はとても細く、車がすれ違えない程です。

実際、去年の桜シーズンはマイカーが何時間もの渋滞を起こし、大パニックだったそうです。

その為今年は、シーズン中のマイカー進入を禁止し、シャトルバスを運行する事となりました。

それを取り仕切るのが三豊市観光交流局の皆さんなのですが、通常の業務に加えてその準備と運営に当たる為、てんてこ舞い状態。

この話に僕がどう絡んで来るかと言うと、昨年カレンダーのバイトをしたご縁も有り、桜シーズンのお手伝いをさせて頂く事になった、という訳です。

さて、準備段階では印刷されたチケットをカッターで切り分けたり、看板をラミネート加工したり、駐車場にラインを引いたり…。
f:id:goumonkobura:20190410075207j:plain
f:id:goumonkobura:20190410080053j:plain
前日まで細々した作業が残っていて、バタバタでした(苦笑)

そして迎えた桜シーズン初日。

僕は、シャトルバスが発着する大浜という漁港の駐車場に配属?されました。
f:id:goumonkobura:20190410080206j:plain
が、桜はまだ開花しておら~ず。
更には、雨が降ったり止んだりの悪天候に見舞われました( ´~`)

続いて2日目。
標本木の花が咲いて開花宣言を行なったものの、99%はまだつぼみ。
そして、かなりの強風。

3日目は…2日目以上の強風(*_*)
寒さに耐えるのが仕事、みたいになりました(^^;)

そんな状況下でも、最初の日曜には千人以上のお客さんがバスに乗車されたのだから驚きです。

ちなみに、予想通り海外からも大勢のお客さんがやって来ましたが、高松空港への直行便が出来た影響か、香港の人達が特に多かったですね。

僕のお役目はその時々で変わったものの、最寄り駅に向かうバス停への案内には注力しました。

会場から少し離れた所にあり、且つ外国人には分かりにくい道だった為、一緒に歩いたり時にはダッシュしたりして、きっちり送り届けました。

スタートこそ春の嵐に翻弄されましたが、そこから徐々に天候が回復し、桜の開花も進みました。

そして迎えた2回目の土日は、暑い位の快晴。
桜も8分咲き→満開となりました!

とにかくお客さんの出足が早く、開始時間前からチケット待ちで長蛇の列が。

イカー用の駐車場はパンク寸前。
最寄り駅から出るコミュニティバスに乗り切れないお客さんも沢山居て、臨時便で対応する等、想定外の事も多々有りました。

山頂へ行くシャトルバスの台数が少ない土曜はかなりお客さんを待たせてしまいましたが、日曜はそれなりにスムーズだったと思います。
f:id:goumonkobura:20190410080355j:plain

当初は、「バイトのついでに満開の桜が拝めるなんて役得だぜ~Ψ(`∀´)Ψケケケ」と考えていました。

が、結局この目で直接見れたのは3分咲き(苦笑)

でも、大規模なイベントに携わる事が出来て、色々と勉強になりました。

桜が有ろうと無かろうと、紫雲出山から見る多島美は圧巻ですので、是非一度お越し下さい。

志々島も見えますよ~!
f:id:goumonkobura:20190410080517j:plain

第53話.瀬戸内国際芸術祭

いよいよ今月から開幕する4回目の瀬戸芸。

もちろん志々島は…今回も参加しません!

志々島が不参加の理由を一言で言ってしまえば、「受け皿が無い」という事ですね。

宿泊施設は1つだけ、飲食店も有りません。
島民は20人足らず、島内の課題が山積みでとても瀬戸芸には人手を割けない状況です。

中でも、公衆トイレが1つしか無いのが問題です。

聞く所によると、瀬戸芸に参加したある島で仮設トイレを設置したそうですが、ボランティアの人達が汚物の処理に当たってくれる予定だったにも関わらず、結果的に島民がやる羽目になったとか。

その話を聞いたら、諸手を挙げて参加したいと思う住民は居ないでしょう(^^;)

瀬戸芸に来て、たまたま志々島の存在に気付いた人達の「ついで観光」で充分です。

で、実際の理由はともかく、僕個人としても参加には反対です。

直島が「アートの島」として成功したのは、素直に凄いと思います。

が、それに追随しても二番煎じの感は否めませんし、モノマネって何だか恥ずかしい気もします。

そして、並のアートでは大楠の迫力や存在感に敵わないでしょう。
f:id:goumonkobura:20190401102705j:plain
ただ、大楠が「手付かずの自然」かと言うと、そうではありません。

真横に伸びる枝を支える巨大な鉄柱を始め、人々の助けが有ってこそ生きていられるとも言えます。

その意味では、大楠も人間が手掛けた立派なアート作品なのかもしれません。

という訳で、365日が芸術祭の志々島に是非お越し下さい!

…上手く、まとまりましたかね?(笑)

第52話.オレンジ色の憎い奴

唐突ですが、僕は果物が大好きです。
桃やブドウも好きですが、特に甘酸っぱい物を好みます。

ちなみに、一番好きな果物はイチゴです(笑)

それはさておき、東京で独り暮らしをしていた時は果物を贅沢品と捉え、買って食べる事は滅多にしませんでした。

一方、志々島に移住してからは、島外の方から柑橘類を頂く事が多く、頻繁に果物を食べる様になりました。

お隣りの愛媛はミカンの一大産地ですし、お向いの岡山もフルーツ王国のイメージが有ると思いますが、香川も負けず劣らずで、様々な果物が作られています。

同じ瀬戸内海に面した県ですし、気候風土も似ているでしょうから、当然と言えば当然の話ですよね。

でも、うどん県をプッシュし過ぎる余り、香川に果物のイメージは全く有りませんでした(^^;)

話を元に戻しますが、一口に柑橘類と言っても種類は豊富で、温州ミカン・夏ミカン・金柑、チャンドラポメロなんていう巨大な物も頂いたりします。

金柑は「のど飴」の成分としてはお馴染みでしたが、生で食べるのはこちらに来て初めてで、皮まで食べられるとは知らなかったです。

皮は甘くて身は酸っぱく、丸ごと食べると丁度良いバランスになるという面白いヤツです。

香川のスーパーでも当然ミカン類を売っていますがそんな状況なので、「わざわざお金払ってミカン買う人なんて居るんだろうか??」と思わずにはいられません。

さて、志々島にもミカンの木が何本か有ります。
f:id:goumonkobura:20190322120959j:plain
特別誰かが世話をしている訳ではないですが、毎年勝手に実を付けます。

しかし、自由にもぎ取って食べて良い物ではありません。

殆んどのミカンには持ち主が居て、その方から直接頂くか、取る許可を貰う必要が有ります。

もし勝手に食べて見つかりでもしたら…凄~く怒られると思います(笑)

ミカンだけでなく、柿やビワ等も同様ですので、観光でいらっしゃる方はその点ご留意下さいm(_ _)m

第51話.永遠の中学生

東京に居た時は、ワンルームの小さな部屋で暮らしていたので、台所で料理や洗い物をする時でも、首を捻ればテレビが見れました。

なので、台所に長居しても退屈はしませんでした。

が、今の住まいでは居間と台所が完全に分かれている為、そうは行きません。

ipodで音楽を聴いたりもしましたが、イヤフォンが邪魔に感じて少し億劫になっていました。

ちなみに、安物のラジカセを以前持っていたものの、壊れてからは買い換えずで今日に至っています( ´~`)

それが先日、リフォームに伴って不要品を処分したいというお家が有り、オーディオセットを譲り受けたのでした。

居間ではテレビを見るのに忙しく、音楽を聴いている暇は無し。

となると、オーディオを設置する場所は自動的に決まります。

はい、台所ですね。
f:id:goumonkobura:20190313172317j:plain
f:id:goumonkobura:20190313172348j:plain
最初は土間に直置きしましたが、手頃な段ボールが見付かったので底上げしました( ̄▽ ̄)

こんな立派なスピーカーでCDを聴くのは初めてです。

で、これで何を聴くかと言うと…ドラクエのサントラ(オーケストラバージョン)です。

いつまで経ってもお子ちゃまですね~(笑)

普通に歌のCDも持っていますが、ドラクエのCDを久しく聴いてなかったので、洗い物をしながら過去のシリーズを振り返っている所です。

とりあえず、水や残飯をぶっかけない様に気を付けつつ、使って行きたいと思います。

第50話.ヤギヤギパニック

猫と並ぶ志々島(ししじま)のマスコット、ヤギ。

SNSを通じてはお知らせしましたが、1月の終わりの僅か1週間の内に6頭もの子ヤギが生まれ、一気に12頭になりました。
f:id:goumonkobura:20190303122722j:plain

ヤギが急増した事で、昔使っていたヤギ小屋を修復しようとか、口減らしの為?に里子へ出そうとか色んな話が有ったりで、まだまだ落ち着かない状況です。

そこで今回は、「ヤギ」をテーマに話したいと思います。

東京の実家で飼っていたペットと言うとインコ程度で、猫や犬の様なサイズの動物には全く免疫が有りませんでした。

だから、ヤギなんて以ての外。
出来る事なら近づきたくないです(苦笑)

それでもごくごく稀ですが、ヤギ小屋から離れた所まで草を食わせに行く時など、お手伝いする事も有ります。

大きなヤギは立派な角をお持ちで、その恐ろしさは説明不要でしょう。
f:id:goumonkobura:20190303122843j:plain
少しでも隙を見せたら「グサッ!」と心臓を一突きにされますね、きっと。

それでは子供のヤギなら安心か?と問われれば、答えは否。

小さな身体からは想像が付かない程のパワーを持っています。

首輪に結んだロープを引いて移動させますが、逆方向に首を曲げたり走ったりしようものなら、完全に腕を持って行かれます。

そして、動きがとんでもなく機敏です。
予測不可能なステップを踏むので、うっかり逃したら捕まえるのは容易ではありません。

ある日、石段を下っている最中に走り出した時は、ロープを離すまいと思ってしまった為、引っ張られて石段下の防波堤に激突し、命を落とす所でした(*_*)

そんな訳で島の皆さんには、僕の分までヤギの世話を頑張って頂きたいと思います(笑)

第49話.とりあえずキンセンカ!

「とりあえずビール!」という有名なフレーズがありますが、アレは決して投げやりな言葉ではなく、「何はなくともビールを飲まなきゃ始まらん!」という意味だと僕は解釈しています。

で、畑をやるなら志々島(ししじま)の代名詞と言うべき「キンセンカ」からだなと、常々考えていました。
f:id:goumonkobura:20190224160933j:plain

キンセンカは別名「時知らず」とも呼ばれており、季節を問わず種蒔きが出来ます。

加えて、乾燥にも強いので、たまの雨に任せておけば水やりも要らないそうです。

雑草の駆除は最低限必要ですが、他の作物と比べたら「手間要らず」な花です。

さて、やっぱり花を咲かせるなら4~5月が良いなぁと思っていたので、調べた情報を元に逆算し、昨年の12月始めに畑に着手しました。

場所はセンパイ島民からお借りした、ちょっと高台に在る南向きの畑。
遮る物は無いので、日当たりは抜群です。

準備は野菜を作る時と大体一緒で、石灰と堆肥を撒いた畑を、手押しの耕運機で耕しながら畝(うね)を作ります。

小型の耕運機なので出来る畝がとても細く、本来は2つを合わせて丁度良い幅の畝になります。

が、その手間を掛けるのを嫌い、そのままの畝を使って横一列に種を蒔きました(  ̄▽ ̄)

しかし、記憶していたよりも畑が広く、買って来た種だけでは足りないんじゃないの!?と正直思いました。

それでも、耳垢みたいに小さな種を一粒ずつ指先で摘まんでは蒔くを繰り返すケチケチ戦法で、どうにか畑全体に行き渡らせる事が出来ました(^^;)

そして、種蒔きから一週間が経過した頃、キンセンカの芽が顔を出しました\(^_^)/

ただそれも数える程度で、その後の成長も遅く感じました。

それもそのはず。

この時になってようやく知ったのですが、栽培期間を完全に勘違いしていた様で、12月に種蒔きした場合、開花は8~9月になるというのが本当の所でした( ´~`)

成長が遅いのも当然と合点が行ったので、暫く放置する事にしました。

タンカーの仕事を挟んで1ヶ月後、再び畑へ。

雑草がはびこって、何処にキンセンカが生えてるのかも分からない状態になっていたので、草むしりをせざるを得ませんでした。

しかしこれが、大変。
種蒔きの時も感じましたが、9m × 6m程の小さな畑なのにも関わらず、とてつもなく広く思えました。

結局、3日間・計15時間を掛けて、ようやく一旦の草むしりを終えました。

姿を現したキンセンカは…種蒔きした内の7割にも満たない数(*_*)
f:id:goumonkobura:20190224161040j:plain

最低でも8割が花を咲かせてくれるのを祈っていたので、この時点で完全な敗北です(苦笑)

労を惜しまず幅広な畝に作り変えていれば畝の数も少なくなったし、種も数粒ずつ蒔けて発芽の確率も上がったんじゃないか?とか、色々悔やんでみても後のカーニバル。

途中で投げ出すのも格好悪いので、今あるキンセンカだけでも花咲かせたいと思います。

ちなみにこれが今のキンセンカ
写真から分かる通り、丸っこい葉っぱが特徴的です。
f:id:goumonkobura:20190224161134j:plain

成長の様子は、又の機会に報告させて頂きますm(_ _)m