ミシマサイコ(三島柴胡)とは、茨城県以西に分布するセリ科の多年生植物で、秋には黄色い花を咲かせます。
その根を乾燥させた物が生薬でサイコと呼ばれ、解熱・鎮痛・解毒の作用が有るとして漢方薬に配合されます。
江戸時代に全国で生産される様になりましたが、静岡県の三島地方が良質なサイコの大集荷地であった為、「ミシマサイコ」と呼ばれる様になったそうです。
…と、人からの受け売りを文字に起こすのは疲れますね(笑)
さて、冒頭から何故こんな話をしたのかと言いますと、実は昨年、そのミシマサイコ(以降サイコと略します)の栽培に取り組んでいました。
「オトナの事情」でまだ公表出来ないと思い込んでいましたが、それが僕の勘違いだと分かった為、晴れて情報解禁となった次第です。
高知県の或る会社がサイコの栽培農家を募っているという話を、三豊市役所の職員の方から頂いたのが事の発端でした。
薬用植物の栽培を地域の産業にしたいと考えた三豊市が賛同して音頭を取っており、そこに志々島も名乗りを上げた格好です。
と言っても、島民が一丸となって…という訳ではなく、メンバーは自治会長さんと僕の2人だけ。
上手く育てばお金になりますが、それを約束出来ない段階で皆を引っ張り込めないというのが、少なくとも僕の考える理由です。
メリットとしては、取れた分を全て買い取ってくれる点。
唐辛子や綿花の売り方に四苦八苦している僕には、それが如何に有難い事かよく分かります。
デメリットとしては、三豊の土地ではまだ栽培方法が確立されていない点。
高知とは気候風土が異なるので、同じやり方が通じるとは限らず、各農家は手探りで取り組まねばならない所が少なからず有ります。
いずれにせよ、生計を立てる為の「柱」を模索する僕の場合、それなりの規模でやらなくては話になりません。
その舞台として選ばれたのが、僕のブログに何度か登場した丘の上の土地・壇上(だんえ)です。
正に1年前、当初はレモンの苗を植えるつもりで切り開いた耕作放棄地でした。
がしかし、そこでサイコを作りたいと自治会長さんから熱望された事。
加えて、レモンが実るまで少なくとも2~3年は掛かる事。
それらを総合的に考えて、考えて考えて、サイコに畑を譲る決心を固めました。
そんな訳で新年早々、去年の事を振り返って行くというおかしな展開になりますが、暫くの間どうぞお付き合い下さい。